【前田 康二郎】軽い気持ちで言ったらすぐ「老害認定」…部下、後輩に一瞬で嫌われる「ヤバいひと言」
職場や家庭で嫌われる「老害」の人にはやりがちな行動パターンがある。新刊『メンターになる人、老害になる人。』の著者で、経営コンサルタントの前田康二郎氏が、とくに職場で顕著な「老害認定」まっしぐらの言動を紹介する。
オンライン会議で嫌われる「このひと言」
コロナ禍に在宅勤務制度を導入していた会社で社員の方達にアンケートを取ったところ、「在宅勤務下で不快だった出来事」の断トツの一位が、オンライン会議の冒頭で、上司から「ちゃんと仕事してる?」「さぼってたんじゃないの?」とからかわれたことでした。
これは、現代の「老害」の問題を最も端的に表している一例だと思います。
上司からすると、「やあ元気?」「仕事は順調?」と同じか、むしろ親しみを込めたつもりで「ちゃんと仕事してる?」「さぼってたんじゃないの?」と言ったつもりの人がほとんどのはずです。
その返答として「ちゃんと仕事してますよ。部長こそさぼってたんじゃないですか?」というやりとりを期待していたのだと思います。
実際に私の若い頃もそのような会話はごく当たり前にされていた記憶があります。
「老害認定」はちょっとしたことから
しかし、今の時代にそれをすると反応はこうなると思います。
「え、仕事してますけど……」
「いえ、さぼってませんけど……」
「え? それってどういう意味ですか?」
そして妙な沈黙が生まれることでしょう。
今の時代は、なぜわざわざいきなり人を否定してきて不快な思いをさせてくるのか、「意味がわからない」ということです。
そしてわからないなりにも理由を考えて、きっと「いつもネガティブなことを言ってくる人」「私に対して悪意のある人」として老害認定されます。
第一声は「仕事は順調?」「何か困ったことは起きてない?」で十分なのです。
相手を下げるのではなく自分を下げよう
それでも「こういう丁々発止のやりとりこそ楽しいコミュニケーションなんだ」と言う方もいます。
その場合、私は、「でしたら、まず相手ではなく自分を否定してから会話を始めてください。丁々発止のやりとりをしたいなら同じことですよね」とお伝えしています。
上司から、
「さっき10分だけと思って横になったらそのまま1時間昼寝しちゃって、まだ明日の会議資料を作り終えてなくてさ」
と言えば、
「部長でもそうなんですか。在宅だとそういうこともありますよね。私も一度同じことがあったので短い時間でもスマートフォンでタイマーをかけるようにしています」
と、グッドコミュニケーションが成立します。
それを逆にやると、老害と言われてしまいます。つまり「自分が気持ちよくなりたいだけのために、他人を下げようとするコミュニケーション手法を使ってはいけない」のです。