ブラジル最高裁判所によるXの国内でのサービス停止命令に関連して、Xへのアクセスをブロックするよう求める措置を拒否していた衛星通信サービスのStarlinkが方針を転換し、最高裁の命令に従いXへのアクセスをブロックする方針であることを明らかにしました。



Starlinkの公式Xアカウントへの投稿は「ブラジルのお客様へ(モラエス判事によってXがブロックされているので読むことができないかもしれませんが)」という書き出しで、資産凍結という違法な扱いを受けつつ、最高裁によるXへのアクセス遮断命令に従ったことが明かされています。

Starlinkは当初、「資産の凍結が解除されるまで、最高裁による命令には従わない」と述べて、Xへのアクセス遮断を拒否していました。

イーロン・マスクの「Starlink」がブラジルにおけるXのブロックを拒否 - GIGAZINE



わずか1日で方針を転換した理由については言明されておらず、事情はわかりませんが、Starlinkは投稿で「我々は、モラエス判事の出した最近の命令がブラジル憲法に違反しているという考えに賛同してくれている人々とともに、あらゆる法的手段を模索し続けます」と述べ、抗っていく姿勢を打ち出しています。

ブラジルの通信規制当局であるAnatelによると、すでにStarlinkはXへのアクセス遮断を開始しているとのこと。

なお、そもそもブラジルでXがブロックされるに至ったのは、ブラジル最高裁のモラエス判事とXのオーナーであるイーロン・マスク氏との対立がきっかけであり、力を持ちすぎたモラエス判事が暴走気味なのではないかと指摘されることがありますが、ブラジル最高裁の11人の判事のうち5人で構成された小委員会は全会一致でXへのブロック命令を承認しています。

Elon Musk’s X will stay blocked in Brazil | AP News

https://apnews.com/article/brazil-musk-x-platform-moraes-shutdown-6942614705a4e85064f1d98628b49295

また、ブラジルのダ・シルバ大統領は、今回のXを巡る争いについて「イーロン・マスク氏が極右思想でやりたい放題しているのを、マスク氏が大金持ちだからと我慢する義務はないのだと、世界が学ぶことを期待します」と述べ、モラエス判事らの判断を支持する姿勢を見せています。

Lula says Elon Musk’s wealth does not mean world must accept his ‘far-right free-for-all’ | Brazil | The Guardian

https://www.theguardian.com/world/article/2024/sep/03/luiz-inacio-lula-da-silva-elon-musk-brazil-x