胃カメラは「鼻から」と「口から」はどっちが楽? 検査精度に優劣はある?
鼻からと口からの内視鏡だと、鼻からの方が苦痛は少ないと、中目黒アトラスクリニックの伴野先生は言います。一方で、鼻からの場合、口からの内視鏡に比べて画質ではやや劣る部分があるというデメリットもあるのだとか。詳しく教えてもらいました。
※この記事はMedical DOCにて【胃カメラは「鼻から? 口から?」 医師が違いを解説 検査中の痛みやえずきは鎮静剤を使えば解決?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
伴野 繁雄(中目黒アトラスクリニック)
東京医科大学卒業。その後、東京女子医科大学消化器病センター、国立病院機構東京医療センター、八王子消化器病院を経て、東京都目黒区に位置する「中目黒アトラスクリニック」の院長に就任。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化管学会専門医、日本カプセル内視鏡学会認定医。
編集部
「鼻から」と「口から」で、病気発見の精度が変わることはありますか?
伴野先生
経鼻での内視鏡は、コンパクト性に重きを置いているため、経口内視鏡に比べて若干画質が落ちると言われています。しかし、ここ数年での技術の進歩は著しく、最近の経鼻内視鏡は非常に高画質になってきています。あとは、咽頭・喉頭(のど)ついては、経鼻のほうが観察しやすいですね。
編集部
「鼻から」と「口から」、どちらが楽ですか?
伴野先生
内視鏡が細いので、基本的には経鼻の方が苦痛は少ないと言えるでしょう。しかし、鼻炎がある場合など、経口を好む患者さんもいらっしゃいますので、向き不向きがあるかもしれません。「歯磨きでえずいてしまいやすいかどうか」というのが、経口内視鏡の向き不向きを判断する目安として良いと思います。歯ブラシが奥の方に当たっただけでえずいてしまうという方は、口からよりも鼻からの方が向いているでしょう。
編集部
楽に検査が受けられるコツはありますか?
伴野先生
経口の場合は、鎮静剤を使う方法があります。検査の苦痛はほぼ感じませんが、検査後30分程度の安静にしなければいけない時間が必要です。