二宮和也

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視聴率、第2話が第1話上回る

 俳優・二宮和也が主演するTBS系日曜劇場ブラックペアン シーズン2」(日曜午後9時)の視聴率が好調だ。7日放送の第1話は世帯11.8%、個人7.0%。14日放送の第2話は各11.9%、7.2%を記録しいずれも前回を上回った(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。主人公は人の命と金を天秤にかける悪魔のような心臓外科医・天城雪彦(二宮)。両話とも手術をするかどうか決める際、患者や家族に賭けをもちかけ他の医師らが激怒するシーンが何度も登場した。※以下、ネタバレを含みます。

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 ドラマに詳しい放送ライターがこう明かす。

二宮和也

「天城はオペを芸術と呼び、美しい心臓以外触らない風変わりな医師として描かれています。賭けでオペを決める姿が患者を弄んでいるように見えるため、不快感を持つ視聴者もいますが、いざオペに入ると天才的な手さばきであっという間に成功させてしまう。まさに芸術といってもよいほど神の領域に入っているので、最初の不快感がやがて快感に変わってしまうほどです。ただ、この賭けには“カラクリ”がありそうなんです」

 第1話では韓国ドラマ「冬のソナタ」で知られるチェ・ジウが韓国の医師兼レストラン経営者のパク・ソヒョンとして13年ぶりに日本ドラマに出演。実はソヒョンは心臓に虚血性心筋症による心室頻拍(ひんぱく)という重い疾患があり、息子で医師のミンジェ(キム・ムジュン)に連れられ豪・ゴールドコーストの病院にいる天城に会う。

 天城はルーレットによる二者択一の賭けを持ちかけ、「ぼくのオペを乗り越える運を持っているかどうか確認したい」とほくそ笑む。ソヒョンが勝った場合は「オペはただ」、負けた場合は「オペはしない」。掛け金は全財産の半分というから法外だ。ソヒョンは2億円分(実は過少申告だったことが後で判明)のチップを買って勝負に臨んだが、ルーレットに負けてチップは没収。ソヒョンは泣き崩れてしまったから悲惨だ。

「自分を治療できるのは天城しかいないと改めて悟ったソヒョン親子が、今度は経営する飲食店全店舗の権利書を差し出して天城に2度目の賭けを迫り、無事勝ってオペを受けることになりました。天城はオペ後に店の経営権をすべて売却したと明かしましたが、創業1号店だけは『赤字で売却できなかった』として権利書を返却します。この1号店には隠し金庫があり、ソヒョンの夫が残した遺産の全部が入っているという設定でした。あまりの優しさに『天城はわざと負けているのでは』と勘ぐりたくなるほどです」(前出の放送ライター)

高度な心臓外科技術を確立

 それでは第2話はどうだったか。やはり初回同様“甘い”展開だった。日本でも賭けに勝った患者のみを手術するというスタンスを変えない天城は、洋菓子店を営む繁野(誠直也)の心臓手術を検討するため13歳の繁野の孫・結衣(堀越麗禾)に賭けを持ちかける。条件は看板商品のアップルパイの完成。その賭けの結果が出る前に、天城は日本凱旋記念の公開手術を大会議場で発表してしまう。その患者は繁野だ。

「結衣が賭けに負けたらオペは中止するという注釈はありましたが、結衣が賭けに勝つことを前提としているのは明らか。オペをするための賭け金は、アップルパイの売り上げの一部を永久に支払い続けるというもの。ただ、この“一部”とは非常にあいまいで“子ども”価格かもしれません」(同)

 視聴者からは「子どもには子どもにあった賭けをしてくれる天城先生、やっぱり優しい。ただの悪魔じゃない」「おじいちゃんが手術を受けるための賭けにアップルパイの完成を提案する天城先生。優しい悪魔じゃない?」などと天城の魅力を語る声が相次いでいる。さらには、第1話でも第2話でも、患者側が最後の賭けに挑む描写はなぜかそっくり“割愛”されているのだ。肝心なシーンを見せたくない事情でもあるのだろうか。

 原作は千葉大医学部出身の医師で作家、海堂尊の「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」。2018年に二宮主演で放送された連続ドラマ「ブラックペアン」の続編という位置付けだ。

 TBS関係者がこう話す。

「ドラマでは豪州ロケが行われましたが、原作では、天城はモナコに集まってくる金持ちを相手に心臓手術をしている金の亡者というキャラクター。カジノでシャンパン片手に大金を賭け、バイクはハーレー、背が高くスラリとした華やかな人物です。患者の全財産の半分をギャンブルに賭けさせ、患者の運を試すという設定はドラマに引き継がれる一方、ドラマでは天城の“優しさ”を押し出そうとしているようです。『賭けにわざと負けている』ように見えるのはそのためかもしれませんね」

 ダイレクト・アナストモーシス(直接吻合法)という世界中で自分にしかできない高度な心臓外科技術を確立し、これまで1人の患者も死なせていない天城。“優しい悪魔”は原作とは一味違った魅力を放てるか――。

デイリー新潮編集部