(左から)宇田剛之介、日郄のり子、山口勝平、林原めぐみ、ano

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 TVアニメの放送終了から32年。高橋留美子の人気漫画を原作にしたアニメシリーズ『らんま1/2』が帰ってきた。最先端のアニメーション技術で新たになった映像に、早乙女乱馬は山口勝平、らんまは林原めぐみと前のシリーズから引き続いて登板する声優たちが魂を入れ、令和の時代にふさわしい『らんま1/2』を送り出す。7月17日に行われた完全新作的アニメ『らんま1/2』の大発表会に、山口勝平、林原めぐみ、日郄のり子、宇田剛之介監督、anoが登壇。10月5日より日本テレビ系で放送がスタートすることが発表され、トークセッションなどが行われた。

参考:『らんま1/2』山口勝平、林原めぐみ、日郄のり子ら出演 制作はMAPPA、OPテーマはanoに

 大発表会に合わせて出したコメントで、そろって再登板を喜んだ早乙女乱馬を演じる山口とらんま役の林原。(※)大発表会でも山口は、「声優としての僕のルーツになる作品です」と言い、いつか『らんま1/2』がリメイクされるとしたら「乱馬は譲りたくないというのはありました」と役への強いこだわりを持っていたことを明かした。

 同じく林原は、完全新作的アニメの制作に向けてボイステストの依頼があった際に、「勝平じゃないならあたしじゃないと」と言って、黄金ペアの再登板を望んだことを打ち明け、共に大切な役であることを感じさせた。

 乱馬とらんまだけではない。あかね役は日郄、なびき役は高山、かすみ役は井上と、これまた前のシリーズと、同じ声優陣が天童家の3姉妹を演じる。大発表会に登場した日郄も、「『らんま1/2』は青春でした。楽しかったのでもう1回できるのは人生のご褒美です」と出演を大喜びしていた。

 キャストでは、乱馬のライバルとなる響良牙も前のシリーズと同じ山寺宏一が担当し、乱馬に言い寄るシャンプーも同様に佐久間レイがそのまま担当する。林原は主演級の声優たちが「それぞれの場所で花を咲かせてここに戻っているのは素敵」とコメント。ここからも、『らんま1/2』が出演声優たちにとって大きな作品だったことが伺えた。

 主要なキャストについては、2008年の高橋留美子展に合わせて制作されたOVA『らんま1/2 悪夢!春眠香』で再結集したこともあったが、TVアニメとして再始動するとなる今回は、役への向き合い方も違ってくる。林原は、前のシリーズでらんまは乱馬の分身という設定ということで、山口の演技を盗むような演技をすることを求められたという。時が流れて共に大ベテランとなった今は、「勝平が私を盗むようになって、お互いの相乗効果を感じました」とのこと。山口も、「前回はできなかった、女らんまのような突き抜けた感じを今ならできるかもしれない」とコメント。お互いが影響し合った演技を楽しめそうだ。

 キャスティングがファンの期待に応えるものとなったのなら、アニメーション自体も鉄壁の体制で新時代の『らんま1/2』作りに挑む。アニメーションを制作するのはMAPPA。『この世界の片隅に』『呪術廻戦』『進撃の巨人 The Final Season』『チェンソーマン』とハイクオリティのアニメーションを劇場やTVに送り出し続けているアニメーションスタジオだ。

 そして監督は、東映アニメーションで2006年までTVアニメーション『ONE PIECE』シリーズの初代シリーズディレクターを務め、2012年にアニメーション映画『虹色ほたる~永遠の夏休み~』を手がけ、アート作品のような映像を送り出した宇田剛之介が担当する。

 宇田監督は、「お話を頂いたときは『えっ!』という感じでした。自分が学生の時に熱中した高橋先生の作品だったので、自分がやることになるとはとただビックリして、それからこの人気作をどうしたら良いんだろうと悩みました」と、監督として『らんま1/2』に向き合う大変さを明かした。そして、「楽しい作品にしたくて、スタッフも苦しみながら楽しんで作っています。観る方々も楽しんでいただければ」とファンに向かって呼びかけた。

 オープニングテーマの担当アーティストにはanoが起用された。大発表会に登場したanoは、「長年愛されている作品だと思うので、オープニングをできるのは無茶苦茶光栄でした。嬉しかったです」と喜びを表明。作品については、「キャラの濃さとか設定の斬新さが面白いです。キュンキュンします。アニメーションも無茶苦茶かわいくて観ていて楽しいです」とコメントして、本編への期待を誘っていた。

 大発表会では最後に、日郄が「宇田監督は、もうちょっとかわいくやってみてといった感じで諦めないんです。完成した形であかねちゃんを聞いていただけると思います」と、ファンの期待に応えたキャラクターになっていることをアピールした。林原は「人間の中にあるドキドキだったりキュンキュンだったり笑いだったりと、誰でも共有できるものが巡ってきたことに意味があります。気軽な気持ちで楽しんでいただけたら」と『らんま1/2』の楽しさを今一度、大勢で楽しめる意義をアピールした。山口も「一直線だぜ!」と言って放送スタートまで楽しみに待ってほしいと訴えた。

参考※ https://realsound.jp/movie/2024/07/post-1722380.html(文=タニグチリウイチ)