「人手不足倒産」って実際どんな感じなの? 「コーチがいなくてスクール潰れた」「採用広告に数十万円使っても……」などの声
人手不足は企業にとって存続の危機となる。帝国データバンクは7月4日、人手不足が原因の倒産件数が前年同期比7割増の182件だったと発表。過去最多を上回るペースで推移、深刻化していると報じた。
ちょうど6月末、ガールズちゃんねるにも「人手不足倒産を経験したことある方」というトピックが立っていた。トピ主は「30人弱の中小企業」に勤めている女性で、
「万年、人員不足で新人が入っても2.3年で辞めてしまい、定着しません。このままさらに人が辞めたら…と考えると、怖いです」
と危機感を吐露。自身は仕事内容も好きだし条件も悪くないと思っているというが、「実際に人手不足倒産を経験したことある方、いますか?」と不安げに問いかけた。(文:篠原みつき)
「人材募集の為の広告費を数十万使っても人が集まらず」
トピック内の反応は、「倒産した」という人から「もうすぐしそうでやばい」と危機感を募らせる人まで、様々なコメントが上がっている。
「スイミングスクール勤めてたけどコーチがいなくて潰れたよ」「近所の中華料理店が閉店した。人材募集の為の広告費を数十万使っても人が集まらず、営業を維持していけなくなった為…って」「学童(中略)1年の間に半分の人がやめていってたからやばいとは思ってたけど、やめたあとしばらくして人手不足で閉鎖になった」
中華料理店は地元の人気店だったそうだ。また、「私の勤めていた会社は倒産ではなくて廃業になりました」という人も。アクセサリー類の固い商売だったが、経営者と下請けの職人が高齢になり「後継者不足で国内生産が難しくなったため」と書いていた。
やはり倒産・廃業は中小企業が多いようで、客は多くても人手不足で経営が続かなくなる状況がうかがえた。
「一番上が75歳で60歳以上がまだたくさん第一線で働いています」
トピック内は実際に倒産を経験した人より「倒産はしてないけど、去年20人ぐらいいた人が、今は5人しかいない。やば過ぎよね」など、倒産秒読みに震える人のほうが多かった。こんな声がある。
「パートしてたスーパーが人手不足で休業になって早2ヶ月。このまま潰れるのではないかと思ってる」「中小企業の建設業ですが、若い子が来ないですね。主さんの会社と同じようにすぐに辞める子がほとんど(中略)一番上が75歳で60歳以上がまだたくさん第一線で働いています。働き盛りの30歳〜40歳が一番少ない」
悲しいかな高齢化をヒシヒシと感じるコメントだ。「倒産まではしてないけど、事業縮小で働いてた部署がなくなって」という声もあった。また「地方の大きめ個人病院」に勤める人は、
「離職率高過ぎ。もう病棟を1つ閉鎖するか、患者さん制限したほうがいいんじゃないかと思ってる(中略)忙しすぎ→人間関係悪化→離職率増加という負のループ」
と職場の危機を訴えた。「パート先だけど、30人くらいいた社員が今は半分になった」という人も。正社員を雇わず、社員並みの重要な仕事をパートに押し付けて「最低賃金のまま」という会社の呆れた姿勢を批判していた。
こうした待遇の悪さで人手不足の悪循環を指摘する声は目立ち、トピ主も追記にこんな風に書いている。
「家族経営なので、待遇改善を要望しても、他の会社の事情を十分に分かっていないのかなぁと感じます。事業縮小しているコメをみると、我が社も近い将来そうなりそう…と感じます」
人手不足解消のためとはいえ、待遇をあげたくてもあげられない中小企業は多いだろう。一方で、経営が順調でも絶対に社員の待遇をあげたくない会社もありそうだ。だが、そういう会社はやはり長くは続かないのではなかろうか。
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