昨今、「10万円以下」をうたう激安葬儀広告が多数存在する。その仕組みについて葬儀会社の社長が解説した。

【映像】“激安葬儀”広告のカラクリ(見積書で解説)

 佐藤葬祭代表取締役の佐藤信顕氏によると、葬儀費用の内訳は「葬儀代」「火葬代」「車両代」「飲食費」「接待費」で、お坊さんへの謝礼は別会計になるという。

 「うちの会社は気が小さいので正直にしか言えない」としつつ、自社による98万7360円の「お見積金額合計」を示し「東京の世田谷近辺でお葬式をすると参列者15人くらいで総額98万7360円」と各項目の金額を明かしつつ説明した。

 そして「9万8千円から」「7万8千円から」という10万円以下の葬儀のCMについて、火葬プラン基本料金や棺の料金の部分だけが提示されていると指摘。「棺だけやって『あとは自分でやってくださいね』とか。『顔も見ることもできない。時間に来て火葬するだけ』と言って『顔を見てお別れしたい』となると値段がドンと上がる」と、カラクリを明かした。

 「棺の部分、人件費の部分で『本当の最低限』をやると、葬儀店の部分は15万円以下に見せることができる」として「『空いた時間でいきますから、朝8時集合で9時に火葬します』とか言う。そうすると10時のお葬式をする前に、それを出棺してからいけるから人件費が浮く」と解説。

 「お葬式をしないにしても、最後のお別れというのはちゃんとしてもらったほうがいい」と提案し、料金の算出根拠を提示する理由について「安心して弔いをしてもらえるというのが、葬儀店の提供できる価値としては大切なもの」と語った。

(『ABEMA的ニュースショー』より)