「彼は小さい。公平ではない」井上尚弥に突き付けられる“無謀論”に重鎮が苦言 デービス戦は「体格が違いすぎる」

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無謀な階級上げを求められる井上。その風潮にアラム氏が苦言を呈している。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、(C)Getty Images

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)に対する期待は日々高まっている。27戦無敗と敵なしの強さを誇るがゆえに、「一体誰が彼を止められるのか」という娯楽にも近い意見は尽きず、なかには“無謀な論調”も目立ち始めている。

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 そのうちの一つが、WBA世界ライト級王者のガーボンタ・デービス(米国)との対戦を求める声だ。無論、井上との階級が3つも異なる無敗戦士との対戦は、あまりに無謀。ことデービスですら「無理だ」と説き伏せる状況だ。

 それでも対戦を望む声は根強い。一部の識者を含めたファンは、階級を度外視してまでも、よりエキサイティングなメガファイト実現に対する想いを強くしている。

 この井上に突き付けられる“無理難題”を、ボクシング界の重鎮はキッパリと否定する。米興行大手『TOP Rank』のボブ・アラム会長だ。

 御年92歳。その目で数々の名選手を見定め、メガファイトを実現させてきた。そんなレジェンドプロモーターは、これまでも井上とデービス戦について「馬鹿げている」と否定し続けてきたわけだが、米ポッドキャスト番組『Cigar Talk』で「全く考えられない。体格差が違いすぎる」と苦言。改めて階級制のスポーツならではの差を訴えた。

 さらに「イノウエはいつも戦う選手たちよりも小さい。彼がライト級まで上げたら、それは公平ではない」とも語った“御大”の言葉を伝えた米ボクシング専門サイト『Boxing Social』は、「イノウエは確かに鮮烈だ。しかし、スーパーバンタム級にいる現在で、すでに身体的に不利な状況にあるにもかかわらず、ライト級で戦うことを強制するのは不公平である」と論じた。

 無茶な要望を突きつけられるのもスターの宿命か。いずれにしても、井上とデービスの“最強対決”は夢物語のまま終わりそうである。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]