世界中で販売されている「ブルダック炒め麺」。デンマークの子どもたちの間では“激辛ラーメンチャレンジ”が流行していた(『The Guardian 「Denmark recalls South Korean firm’s instant noodles for being too spicy」(Photograph: Samyang)』より)

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デンマーク獣医食品局は現地時間11日、韓国の激辛インスタントラーメンが急性中毒を起こす可能性があるとして、3種類の製品をリコール対象にした。同製品には辛味成分のカプサイシンが大量に含まれており、子どもたちがSNSで危険な食べ方をしていることも、リコールに至った要因の一つだという。米ニュースメディア『CNN』などが伝えた。

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回収対象となっているのは、韓国企業「三養食品(Samyang Foods)」が製造し、世界中で販売されているインスタントラーメンだ。複数の種類が展開されているが、「ブルダック炒め麺 激辛3倍」「ブルダック炒め麺 激辛2倍」「ブルダック炒め湯麺」の3種類をデンマーク獣医食品局がリコール対象とした。

当局はリコールとした理由について、これらの製品に唐辛子の辛味成分であるカプサイシンが過剰に含まれていることを挙げた。カプサイシンは神経毒ともなり得る成分で、急性中毒など健康に悪影響を及ぼす可能性があると説明している。またSNSで、これらのインスタントラーメンを用いた“激辛ラーメンチャレンジ”が流行しており、デンマークの子どもたちが危険な食べ方をしていることも指摘した。

デンマーク獣医食品局のヘンリック・ダンマンド・ニールセン氏(Henrik Dammand Nielsen)は、同製品について子どもや虚弱体質の人、高齢者は特にリスクが高いと述べており、症状としては燃えるような痛みや不快感、吐き気、嘔吐、高血圧などが考えられるという。

リコールを発表した当局は、販売中止を通告し、購入者には廃棄、または購入店舗へ返品するように呼びかけた。

一方で三養食品は、「弊社の製品は世界中に輸出されていますが、“辛過ぎる”という理由でリコール対象になったのは初めてです。今回の回収は製品の品質ではなく、ラーメンの辛さによるものだと認識しています」とコメントした。

デンマーク獣医食品局によると、消費者から「この激辛インスタントラーメンが合法であるわけがない」と、あまりの辛さに問い合わせがあったそうだ。研究所で製品を確認すると、健康被害を及ぼす危険性があると判断され、リコールに至ったという。

ヘンリック氏は、「保護者はこうした過激なインスタントラーメンの存在を認識し、子どもたちが食べないように注意してください」と話している。

ちなみに昨年9月には米マサチューセッツ州で、激辛スナックチャレンジをした14歳少年が、高濃度のカプサイシンの摂取で心肺停止に陥り、死亡していた。

画像は『The Guardian 「Denmark recalls South Korean firm’s instant noodles for being too spicy」(Photograph: Samyang)』『CNN 「Instant ramen ‘fire noodles’ are too spicy for this country」(Danish Veterinary and Food Administration)』『New York Post 「Teen dead after Paqui ‘One Chip Challenge’ chip died of high chili consumption and heart defect: autopsy」(AP)』『UNILAD 「Influencers Force-Feeding Dogs Online Under Fire After Mukbang Videos Banned In China」(Douyin)』『The Sun 「SUGAR SHOCK Bubble tea addict, 18, ‘fighting for her life in a coma after drinking two cups every day for a month’」(Credit: AsiaWire)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)