おかずが少なすぎる!大阪市の小学校給食が「あまりにショボすぎる背景」とは?

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〈(子供が)お腹をすかせて帰ってきます。唐揚げは1個しかないようです。豆のおかずも2粒、チーズ1つ、これで1品はおかしくないでしょうか〉

〈メインのおかずが目を疑う量です〉

これは、公立小学校の給食に怒る親たちが大阪市に寄せた声だ。大阪市の公立中学校では’14年に給食の量が少ないとの苦情が出て問題になったが、今度は小学校の給食でもクレームが頻発している。

「最近では市の教員がSNSで〈給食のおかずの量が少なくなっていて、7分目以下に盛らないと足りなくなって来る〉と発信するなど、そのショボさが指摘されているんです」(全国紙在阪記者)

今年3月の給食の献立(写真6枚目)は、おかずが「きゅうり、豆、関東煮」。昨年12月(同4枚目写真)は汁物以外におかずが1品と育ち盛りの子供には物足りないだろう。定刻までに大量のおかずを作りきれない業者のミスも何度かあったそうだが、問題は調理の方法だけではない。

「背景にあるのは給食費の安さです。小学校の給食費は大阪市が全額負担し、日額は小学校低学年で287円、中学年290円、高学年293円。金額が違うのは主食となるパンやご飯の量が違うためで、おかずの内容や量は同じなんです。物価高騰にもかかわらず、今年度のアップ額は小幅でした」(大阪市の学校関係者)

給食コンサルティングを手掛ける管理栄養士の金子明子氏は、献立が貧相に見える背景をこう指摘する。

大阪市の日額では材料費だけでギリギリでしょう。自治体の考え方で給食の内容に大きな違いが生まれます。食に対してしっかりと考えているところは、給食費が安くても無農薬の食材や(安価で栄養豊富な)地域の作物を使う努力をしている。手作りメニューを揃えるなど、充実した食事が出るんです」

給食を担当する、大阪市教育委員会事務局の回答はこうだ。

給食の食材に関してのご要望を頂いていることもあり、できる限りのご提供はするようにしています。物価高騰の動きも踏まえながら、給食水準の確保を念頭に置いて献立作成をしています」

大阪の市民オンブズマン『見張り番』の一柿喜美氏は市政の問題を指摘する。

「今の時代、成長期の子供に食べるのを我慢しなさいなんてありえない話です。その一方で、大阪万博などにはおカネがどんどん注がれている(大阪市の万博への負担額約748億円。給食費年間総額約61億円)。市政を担当する大阪維新の会が、予算の使い道の優先順位を間違えているのではないでしょうか」

子供たちが、ひもじい思いをすることだけはないようにしてもらいたい。

『FRIDAY』2024年5月31日号より

取材・文:形山昌由(ジャーナリスト)