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●兵庫・明石駅高架下に飲食店街「明石タイガー」が誕生! 施設内の『みなとまちの焼鳥 カモメ』で味わえる、地元民でも知らない焼鳥「ミンチ」を味わってきた。

 2024年3月、JR明石駅の高架下に飲食店街「AKASHI TIGER(明石タイガー)」がオープン。ハンバーガー、ラーメン、海鮮中華、焼鳥の4店舗が営業を開始しました。

 美味しそうなお店が並ぶ中、気になったのが焼鳥屋『みなとまちの焼鳥 カモメ』。こちらで焼鳥としては見慣れないメニューを発見したので、味わいながら取材させていただきました。

焼鳥のミンチという超地域密着の初耳メニュー

 神戸スタイルの焼鳥を提供している『みなとまちの焼鳥 カモメ』。こちらのおすすめが「ミンチ」という、焼き鳥ではあまり聞きなれないメニュー。

 ミンチといえば、いわゆる挽き肉。焼鳥の挽き肉なので“つくね”のことなのかと思っていると少し違うらしく、このミンチという焼鳥は関西人どころか兵庫県民でも知らない人が多いメニューとのこと。

 兵庫県生まれの大阪人である筆者も存在をまるで知らなかったのですが、それもそのはず。焼鳥のミンチというのは神戸市長田区のかなり限られたエリアだけの超地域限定メニューだそうです。

生から焼き上げる焼鳥「ミンチ」

「ミンチ」650円、「ねぎま」800円、「生ビール」500円

 美味しそうな地域限定メニューということで実際に食べてみました。登場した「ミンチ」は確かにお馴染みのつくねとちょっと違って、かなりシャープな形状。団子状ではなくひと繋がりのひき肉の塊となっています。

サッパリとしつつも肉の旨味はしっかり

 実際に食べてみると確かにつみれとは違う食感。よりサクッとした歯ざわりで極細巻のハンバーグというテイスト。味付けには濃いめの塩で肉の旨味が引き出されていてビールが進みます。

目の前で調理される焼き鳥は熱々状態

 焼鳥のつみれは一度下茹でした鶏ひき肉を串に刺して焼くのが一般的。しかし、「ミンチ」は下茹でなしの生の状態から焼き上げるので、肉のエキスがお湯に逃げずに旨味が強く残っているそうです。

 また下茹でがなく太くすると中まで火が通らないので、細い形状にすることでサクッとした食感が特徴的。このミンチの独特の魅力を知っている常連さんは、まず最初にミンチを5本、10本と注文するのも珍しくないそうです。

地域密着メニューや挑戦を後押しする「明石タイガー」

希少なミンチが手軽に食べられる

 そんな焼鳥のミンチ、地域限定メニューということもあって今では長田区でも提供しているお店は減少。どこも行列店となっているのですが『みなとまちの焼鳥 カモメ』では店舗オリジナルの提供方法として、たこ焼きの舟型容器に入れて提供されていて気軽に味わえます。

 地域密着の行列グルメが駅チカの新店舗で手軽に食べられるので、大人のビールのアテから子どものおやつまで、さまざまな可能性のあるお店とメニューとなっています。

味も食感も珍しいミンチの魅力を知ってもらいたい!

 これだけ地域密着なメニューである焼鳥のミンチを売り出す背景には、お店の関係者が長田区の出身ということが由来しているのですが、「明石タイガー」のコンセプトとも関連しています。

 そんなローカルなメニューを打ち出す「明石タイガー」、ほかのお店もそれぞれに挑戦的なメニューが揃っています。

人気ラーメン店や……ローカルグルメを気軽に楽しめる店舗が揃う

大阪の人気ラーメン店『くそオヤジ最後のひとふり』でもおなじみのお店の系列店

 例えばこちらのお店は「人類みな麺類」など、関西での人気ラーメン店を展開する「UNCHI 株式会社」が手掛ける明石タイガー限定のラーメン屋『蛸らぁめん研究所 明石駅店』。

「二代目 本気の蛸らぁめん」1200円

 こちらでは明石にちなんだ食材としてタコチャーシューをたっぷり使った「本気の蛸らぁめん」を販売。煮干しの出汁とタコの旨味が溶け合う絶品海鮮ラーメンで、ここでしか味わえない希少な1杯となっています。

 ほかにも、大阪の天満で連日満席の人気中華店『さんま黒焦げ食堂』初の支店や、牛100%のパティを自家製バンズで挟んだ絶品バーガー店『New York Cheese Burger』など、ほかの飲食施設では見かけないクオリティの高いラインナップとなっています。

黄色と黒の派手派手ヴィジュアルの「明石タイガー」

「明石タイガー」は名前から分かるようにイメージが、虎。虎(トラ)のようなエネルギッシュな場にしつつ、若手の飲食店やアーティストの「トライ」を応援し、「未完成を肯定する」施設となっています。

工事現場風の設備は意外なカッコよさ

 トラと未完成とエネルギッシュを掛け合わせたコンセプトとして、施設のデザインは工事現場風。黄色と黒のカラーリングが特徴的なトラロープやコーン、施設内には工事用の足場などが配置され、工事中のようなヴィジュアルとなっています。

DJの音楽を聴きつつライブペイントを見ながら美味しい食事というレアな体験 [食楽web]

 単に工事現場というだけでなく、土日には若手のアーティストによるライブペイントが行わたり、地元兵庫を中心としたDJによるライブステージイベントを開催しています。地元のグルメとアーティストと住人とを繋義、町の活気を創生するユニークな場として、今後も要注目のスポットとなっています。

(撮影・文◎けいたろう)

●SHOP INFO

みなとまちの焼鳥 カモメ

住:兵庫県明石市東仲ノ町5-34 明石タイガー
TEL:078-600-0206(明石タイガー)
営:平日11:00~15:00、17:00~22:00(金曜は22:30まで)
日祝 11:00~22:00(土曜は22:30まで)
休:不定休
https://akashi-tiger.jp/

●著者プロフィール

けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。