フンメルス(中央)のゴールでPSGを破った photo/Getty Images

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ボルシア・ドルトムントはチャンピオンズリーグ準決勝で、パリ・サンジェルマンを合計スコア2-0と破り、決勝進出を決めた。50分にマッツ・フンメルスが決めたヘディングが2ndレグの決勝点となった。

ドルトムントの決勝進出を予想していた者が、どれほどいただろうか。今季のCLの8強が出揃ったとき、ドルトムントはおそらく最弱チームと目されていたはずだ。ブンデスリーガでも今季は無敵のレヴァークーゼンが主役で、ドルトムントは5位に甘んじている。

しかし彼らは決勝へたどり着いた。今をときめくようなスター選手はおらず、トップクラブから年齢や出場機会を理由に移籍してきた選手が中心のドルトムントだが、米『ESPN』は、そんな「望まれなかった男たち」に、PSGとキリアン・ムバッペはかなわなかったのだと伝えた。

「マッツ・フンメルスのヘディングで同点ゴールを決めたが、ビッグマンのニクラス・ズーレと同じく、彼はバイエルン・ミュンヘンから望まれなかった。また、先発したローン選手たち。左サイドバックのイアン・マートセンは背が低すぎるという理由でチェルシーから望まれず、ジェイドン・サンチョはエリック・テン・ハーグや他のチームメイトを怒らせるので、マンチェスター・ユナイテッドから望まれなかった」

マルセル・ザビツァーもバイエルンで出場機会をなくした選手で、ユナイテッドへのローンをへてドルトムントへやってきた。ニクラス・フュルクルクは29歳でドイツ代表に初招集されるまで、注目を浴びなかった。しかしドルトムントへ流れ着いた「望まれなかった男たち」は、莫大な予算を誇るパリの巨人をなぎ倒して見せたのだ。

決勝の相手がバイエルンであろうとレアル・マドリードであろうと、アンダードッグに肩入れする世界中のサッカーファンたちがドルトムントにつくだろう。このタフな男たちが決勝で何を見せてくれるのか。劇的な結末が待っているかもしれない。