『虎に翼』写真提供=NHK

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 NHK連続テレビ小説『虎に翼』第5週「朝雨は女の腕まくり?」が放送された。直言(岡部たかし)が無事に無罪となり、寅子(伊藤沙莉)たちは胸を撫で下ろす。今週は改めて猪爪家の強い絆が印象に残る週となった。すっかり心が折れたかのように思われた直言は、寅子の機転や、はる(石田ゆり子)の日記帳に助けられ無罪を勝ち取る。家族の力でひとつのピンチを乗り越えた猪爪家の中で、良い味を出しているのが兄の直道(上川周作)だ。

参考:『虎に翼』第26話、寅子(伊藤沙莉)が高等試験に不合格、女子部には新入生募集停止の報せ

 直道は、『虎に翼』第1週目から、どこか憎めない愛嬌のある姿を視聴者に印象づけてきた。寅子が「スンッ」としてしまう女性たちに疑問を抱いている時に、寅子とは違った価値観を持つ花江(森田望智)と家庭を持つなどして、 “角(かど)のない人生”を歩んでいる。その一方で、寅子のことを応援する妹想いの優しい兄だ。

 直道を演じる上川周作は、京都造形芸術大学映画学科俳優コースを卒業し、現在は劇団大人計画に在籍中。実はNHK朝ドラへの出演は、『べっぴんさん』『まんぷく』に続いて3作目である。特に『まんぷく』では、“泣き虫名木くん”こと名木純也役での泣き芸がSNSで大きく話題になった。昨今は映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(2023年)の寺岡役や、『テレビ東京×WOWOW 共同製作連続ドラマ ダブルチート 偽りの警官 Season1』の阿部直樹役などで活躍の場を広げている。

 そんな上川が表現する直道の魅力は、柔和な笑顔と、的はずれながらも優しさの滲み出る「俺には分かる」だ。第22回では、「俺には分かる。父さんは悪者顔なだけで悪いことができるたちじゃないだろ」などと、フォローのつもりで思わぬ本音を漏らしてしまうことも。だが第15回で、花江が義母であるはるに胸の内を明かしたときには、「俺は花江ちゃんの味方。花江ちゃんが一番。だから、この家、出ようかな」とさらりと別居を提案し、妻に優しく寄り添える頼もしさも見せる。

 『虎に翼』での上川は、身体を張った俳優でもある。女学校に通う寅子に忘れ物を届けに来た際には、頭から大量の水をかぶることになる。高いところからザパーッと流される水を全身で受け止める上川の舞台裏映像は、『虎に翼』の公式X(旧Twitter)でも投稿されている。

わかるよ🐯 https://t.co/a7g7jKcJAQ

- 上川周作 (@KamikawaShusaku) April 20, 2024

 そんな上川は、よね役の土居志央梨と大学の同期。土居はXに「虎に翼、直道役の上川周作は大学の同期でした。18歳からずっと一緒に授業受けて舞台とかやってたので、現場でしゅーさくと会うとなんか笑っちゃう」と投稿しており、上川もそれに対して「わかるよ」と虎の絵文字を添えて返信。そこに土居が「だまれ!!!!」とよねらしさ溢れるリプライを付け、気心知れた仲の良さをのぞかせた。

 寅子の物語が描かれる限り、今後も直道は登場してくれるに違いない。だがこれまでの朝ドラでは兄弟が起こしたトラブルが主人公を苦しめたことも。直道が末永く、花江にとっての“良い夫”であり、寅子にとっての“良い兄”であることを願う。

参照https://x.com/asadora_nhk/status/1775372758219960778https://x.com/KamikawaShusaku/status/1775412242210799912https://x.com/KamikawaShusaku/status/1781614019251736969(文=Nana Numoto)