小池都知事のカイロ大卒声明文 「“隠蔽工作”に関わったことは重大な問題」元側近が会見 知事「大学が認めている」と否定
東京都の小池百合子知事がエジプトのカイロ大学を卒業した経歴をめぐって、東京都の元顧問で小池知事の側近だった小島敏郎弁護士が4月17日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見を開いた。2020年に駐日エジプト大使館が公表したカイロ大卒業を裏付ける声明文の作成に小池知事が関与していたとして「隠蔽工作に現職の知事が関わったことは重大な問題だ」と訴えた。
●小島氏「小池知事が声明文の作成を依頼」
小池知事の学歴詐称疑惑をめぐっては2020年に取りざたされた際、駐日エジプト大使館がフェイスブックに小池知事のカイロ大学卒業を認める声明文を掲載した。
当時、小池知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」の政務調査会事務総長だった小島氏は、この経緯に疑問を持っており、それを今年4月10日に発売された「文藝春秋」に寄稿していた。
小島氏は外国特派員協会での記者会見で、2020年6月6日に小池知事から学歴詐称疑惑への対応について相談を受け、小島氏自身は何も対応しなかったものの、知人のジャーナリストA氏が小池知事から依頼を受けて声明文の原案を作成したと説明した。
翌日に小池知事からカイロ大学の学長のサインが入った声明文が送られてきたといい、「時差もあるのに驚異的な早さ」だと思ったという。
その後、同年6月9日にエジプト大使館がフェイスブック上で声明文を公表した。
●今後A氏も実名証言する見通し
小島氏は当時小池知事から送られてきたメールを示し、「実際には彼女が(声明文の)作成に関わっている。隠蔽工作に現職の知事が関わったことは重大な問題です。また、もし正式な手続きを経てカイロ大学を卒業しているのであれば、なぜ隠蔽工作をしなければならなかったのでしょう」と話した。
また、記者から声明文の原案を作成したA氏が実名で証言するかどうかを問われ、小島氏は「答えはイエス」と返答。疑惑について今後さらに告発の動きがあるとの見通しを示した。
●小池知事「選挙のたびに記事が出ることは残念」
小池知事は4月12日の定例記者会見で、2020年当時小島氏からカイロ大学から声明文を出した方が良いのではないかという話があったかについて「あまり鮮明には覚えていません」と述べるにとどめ、「(カイロ大学を)卒業し、そして大学がその卒業を認めている」と学歴詐称疑惑を改めて否定した。
その上で、今年7月に東京都知事選挙があることを念頭に、「毎度毎度そうやって選挙のたびにこうした記事が出るということはそもそも残念なことであります」と話した。