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「保育士による虐待等の不適切保育があった」として労働組合から公開通報されていた梨の花保育園(千葉県松戸市)について、市は3月25日、園児の両手を強く押さえつけ大声で叱る行為1件の不適切保育を認定したと発表した。また、「望ましくない関わり」2件も確認されたとして、園を運営する社会福祉法人「松峰会」に対し改善を求めた。

市は東京管理職ユニオンによる2月27日の公開通報を受け、調査を開始。5回にわたって立ち入り検査と、全職員からの聞き取りを行った。当初は調査結果を3月15日に公表する予定だったが、追加の検査などで遅れた。

園では複数人の保育士が退職する予定だといい、4月から入園内定していた保護者に対し、市は転園の意向を聴取。21人中10人が転園を希望し、受け入れ先が決まったという。

●再三求めている保護者説明会はいまだ開かれず

松戸市保育課によると、「不適切保育」と認定した1件は、2023年10月の20代保育士による行為。物を投げるなどしていた5歳園児に対して注意するために行ったとされる。

また、子供の人権擁護の観点から「望ましくない関わり」とされたのは、他園児への乱暴な行動に対して押し倒して園児が後ろに倒れた事案、暴言を吐いた園児に対して口元を片手でつかんで叱責した事案だという。

いずれも、こども家庭庁のガイドラインに沿って認定した。この他、ユニオンから告発のあった17件については、判断がつかなかったという。

市からは園に対して、影響をうけた児童や保護者のケア、保育体制の質の担保、従業員の労働環境の整備、研修の実施などを求めている。また、保護者への説明会を早期に開くよう2回にわたって通知しているが年度内の実施は決まっていないといい、担当者は「できるだけ早くと伝えているのですが…」と話す。

複数の関係者によると、保護者会は4月5日の予定だという。ある保護者は「当該の保育士さんは処分されたのか不明です。ベテランの退職によって保育体制が担保されるのか」などと不安を口にしている。