大谷翔平は「ギャンブルは最悪だと考えている」 元同僚や米紙が伝えた水原元通訳の騒動に揺れる“偉才の素顔”
水原氏の違法賭博関与疑惑で揺れる大谷。その衝撃は世界的に広まっている。(C)Getty Images
球界に衝撃を与えたスキャンダルに驚きの声は絶えない。
波紋を広げているのは、今月20日にドジャースが、大谷翔平の専属通訳を務めていた水原一平氏を解雇した問題だ。後に原因が「ギャンブル依存症」(米スポーツ専門局『ESPN』での本人談)に陥っていた同元通訳が、大谷の銀行口座から米連邦捜査局が捜査対象としていた違法ブックメーカーへ少なくとも450万ドル(約6億8000万円)の電子送金をしていたと判明。違法賭博に関与した疑いで、大谷の弁護士から告発される事態となった。
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水原氏といえば、大谷にとっては一介の通訳をこえた、いわば“盟友”と言える間柄でもあった。二刀流スターが、ポスティングでエンゼルスに移籍した18年には共に渡米し、プライベートをともにするなど、徹底したサポートしてきた。
大谷のキャッチボールの相手役を始め、何から何に至るまでを下支えしてきた水原氏。そんな両者の蜜月の関係性は広く認知されていたからこそ、球界全体に衝撃は広まっている。
そうしたなかで、一部では謎も深まっている。それは、なぜ450万ドル以上と見られる巨額資金を大谷本人が何も認知せずに口座から移動できたのかという点だ。
水原氏は19日(現地時間)に行われた『ESPN』のインタビュー内で今回の借金について大谷自身が1度は肩代わりすることを了承、自らパソコンでログインし、相手側の口座に送金していたとした。しかし、翌20日に大谷のスポークスマンと水原氏がこれらの発言をすべて撤回。「翔平は賭け事にはまったく関与していない。これが違法だとは知らなかった」とした。
仮に大谷が違法なスポーツ賭博による負債だと把握したうえで、借金を肩代わりしていた場合には、何らかの処分が下される可能性も浮上する。
しかし、偉才の素顔を知る者たちからは、「違法だと知らなかった」という意見が正しいという見方もある。
古巣エンゼルスの地元紙『Orange County Register』は、「我々の取材に応じた(エンゼルスの)選手たちの間で意見が一致していたのは、オオタニは他のスポーツに全く興味を示していなかったことだ。これは、オオタニのためではなく、自分自身のために賭けていたというミズハラの主張を裏付けているように思える」と指摘。さらに水原氏への取材を敢行した『ESPN』も当人のコメントをふまえて、大谷のギャンブルに対する考えを伝えている。
「ミズハラによれば、オオタニはギャンブルをしたことなく、『ギャンブルは最悪のものだと考えている』。ミズハラ曰く『彼(大谷)は周りの人やチームメイトたちがギャンブルに興じる姿を見るたびに、“なぜそんなことをしているんだ”と語る』という。そして、仲間から遠征先でカジノに行こうと誘われても、絶対に行かなかった」
周知の通り大谷は野球一本で突き進んできた。だからこそ、水原氏の行動が「違法だと知らなかった」のかもしれない。当分の間、騒動のハレーションは続くと予想できるだけに、現地3月28日に行われるカージナルスとの一戦でのパフォーマンスが注目される。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]