マンダリンヒーローは再び海外挑戦目指し中央交流へ NARグランプリ表彰式で藤田師が展望語る
「NARグランプリ2023」の表彰式は22日、都内ホテルで実施。特別表彰を受けたマンダリンヒーローの藤田輝信調教師らが喜びの声を語った。
同馬は父シャンハイボビー、母ナムラナデシコ、母の父フジキセキという血統。23年は雲取賞2着後、地方所属馬として初のアメリカ遠征を行いサンタアニタダービーで2着に好走した。続くケンタッキーダービーでは12着だったものの、その挑戦は多くのファンにインパクトを残した。
地方競馬史上、前例のないチャレンジを振り返って、新井浩明オーナーは「正直に言って雲取賞で負けて、自分としては行く気はなかったのですが、調教師がどうしてもと。あと日程を見ていたら、大谷選手のエンゼルスの試合がちょうど前後にあり、WBCで盛り上がっていたこともあり、家族から行ったらと言ってもらいました」と笑いを誘った。
藤田師は、現地で感無量だったという。「挑戦という気持ちだった。最後の最後にケンタッキーダービーに出走し、調整が本当に難しかったが、その中で頑張ってくれた。本当にいい経験だった。やっとこの場に来たんだという気持ちになった。1秒1秒が宝物だった」。
その調整について堀田優志厩務員は「初めてだらけだったので、難しい部分もあったが、日本だろうがアメリカだろうが、やることは変わらない。現地のスタッフがマンダリンのことを第一に考えてくれていたので」とチームマンダリンヒーローとして機能したと語る。続けて、「大井からは初挑戦なので、恥ずかしい競馬をするとこんなものなのかと、後に続く馬も現れない。あの日きっちり走ってくれて安心しました」と大井を背負っての重圧もあったと振り返った。
マンダリンヒーローの今後について藤田師は「強いマンダリンヒーローをお見せできるように、中央交流を勝って海外に挑戦できるような馬にしたい」とキッパリ。再び世界へ挑戦する思いを口にした。