井上尚弥が”圧巻”の10回KO勝ち!世界2人目、アジア初の2階級4団体統一王者に
井上は粘るタパレスを10ラウンドに仕留めた(C)Takamoto TOKUHARA
まさに圧巻の強さを見せつけ、モンスターがまた快挙を成し遂げた。
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一戦が12月26日、有明アリーナで行われ、WBC・WBO世界同級王者の井上尚弥(大橋)とWBA・IBF同級王者マーロン・タパレス(フィリピン)が対戦。下馬評で圧倒的優勢の声を受けていた井上が、10回KO勝ちでフィリピンの雄を沈めた。これで26戦26勝23KO。世界では史上2人目、アジア人では史上初となる2階級での4団体統一を成し遂げた。
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戦前の『Lemino』のインタビューで「ファンの期待を超える戦いを見せたい」と語っていたモンスターの表情は、すでに入場時から臨戦態勢だった。
序盤は慎重に距離を確かめながら試合を進めた井上は、力強いワンツーや強烈なボディを放って圧力をかけ、試合のペースを握る。ガードを固めて一発を狙う相手の力量を確かめつつ、隙あらば右のストレートでボディを中心に攻め立てた。
4ラウンドになるとコンビネーションからの強烈な左ボディもヒット。4ラウンド残り20秒を切ったところからラッシュを仕掛け、左フックのクリーンヒットを皮切りにパンチをまとめてダウンを奪った。
迎えた第5ラウンドは井上が早々に相手に詰め寄り、左右の連打で猛攻を仕掛ける。しかし、これにはタパレスが応戦して壮絶な撃ち合いに。明らかに井上が押し気味に進めるも、タパレスもタフネスぶりを発揮してなんとか食らいついた。
その後は、重心を後ろに残してディフェンシブに構えるタパレスから決定打を奪えずに、試合は終盤に突入。そして迎えた第10ラウンド。まさに電光石火ともいえる右ストレートを見舞い、粘るタパレスからKO勝利をもぎ取った。
戦前から井上優位の声は多く、焦点は「何回でKOするか」といった論調が大勢を占めた今回の試合も、見事にその期待に応えたモンスター。老舗ボクシング誌『The Ring』のマーティ・マルカヘイ記者が「今、イノウエに勝てるのはイノウエだけだ」と舌を巻く日本の至宝は、まだまだ歩みを止めない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]