井上尚弥選手(山口フィニート裕朗/アフロ)

写真拡大

米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン」(WEB版)が2023年12月26日(日本時間)、同日に東京・有明アリーナで行われるスーパーンバンタム級4団体王座統一戦の特集記事を公開し、WBC・WBO王者・井上尚弥(大橋、30)とWBA・IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン、31)の実力を分析し試合結果を独自予想した。

井上、タパレスともに2つの王座を保持しており対等な立場にある。戦績は井上が25戦全勝(22KO)、タパレスが37勝(19KO)3敗。世界戦の実績は井上が大きく上回る20勝(18KO)で、今回がバンタム級に続いて2度目の4団体王座統一戦となる。一方のタパレスは暫定王座決定戦を含めて3勝(2KO)1敗だ。

「井上が築いてきたサウスポーのKOの山に加わるだろう」

ボクシングスタイルは、右構えの井上に対してタパレスはサウスポー。ボクシングシーンは、「サウスポーを苦手とする右構えの選手もいるが井上はサウスポーと対戦した時、最も致命的な結果を残している」と解説し、過去のサウスポーとの対戦は「ほぼ完ぺきなパフォーマンスだった」と称賛した。

さらに「井上が速い段階で右のパンチを当てればそこで勝負が決まるかもしれない」とし、「タパレスが4ラウンド目のゴングを聞くことができれば、それはタパレスの精神的勝利となるだろう」と解説した。

タパレスに関しては「ここにいるはずではなかったがここにいる」と評した。

タパレスは23年4月にWBA・IBF世界スーパーバンタム級王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、29)に挑戦し判定で王座を獲得した。アフマダリエフはタパレスに敗れるまで11戦無敗(8KO)を誇り、井上の次期対戦相手筆頭に挙げられていた。ところがダークホースのタパレスに敗れ無冠となり、アフマダリエフに代わってタパレスに井上戦のチャンスが巡って来た。

記事では、「タパレスには防御技術がありスリップがうまく効果的な右アッパーを打つ。左のオーバーハンドのタイミングも絶妙だ」と評するも、「タパレスは完璧なゲームプランと実行力をもってしても試合当日は手一杯になるだろう。井上はこれまでより大きなパンチャー、より巧妙なボクサーと対戦してきた。タパレスは3ラウンド以上もつかもしれないが、井上が築いてきたサウスポーのKOの山に加わるだろう」とした。