モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜〜金曜6:00〜9:00)。12月22日(金)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「井上尚弥選手にフォーカス」。スポーツジャーナリストの近藤隆夫さんに解説していただきました。


(左から)ユージ、吉田明世


◆2階級4団体王座統一を目指す

吉田:12月26日(火)に、プロボクシングの一大イベント「WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパー・バンタム級王座統一戦 井上尚弥 対 マーロン・タパレス」が東京・有明アリーナで開催されます。キャリア通算25勝無敗22KO、去年12月にバンタム級史上初の4団体統一王者となった井上選手が、ボクシング史上2人目となる2階級4団体王座統一の制覇に挑みます。

近藤:井上選手には、多くのファンを魅きつける魅力が2つあると思います。1つは常に強い相手を求めて戦ってきたこと。ランキングが下位で勝てそうな相手を選ぶのではなく、そのときに最も強いと言われる選手と戦い、連勝を重ねてきました。

もう1つは、軽量級でありながらKOで勝てるということ。25勝のうち22勝がKOでの勝利で“KO率88%”というのは驚異的な数字です。2019年11月のノニト・ドネア戦は判定勝利でしたが、それ以降の6勝もすべてKO勝ち。この“圧倒的な強さの体現”が井上選手の最大の魅力でしょう。

ユージ:まさにそうですよね。プロボクシングには、4つの主要団体があって、それぞれの団体に世界チャンピオンがいるのですが、やはり、4団体すべてでチャンピオンにならなければ“世界最強”とは言い切れません。ちなみに、すべて優勝した選手は、これまでにたったの9人。そのなかの1人が、去年バンタム級で成し遂げた井上尚弥選手です!

◆対戦相手 マーロン・タパレス選手とは?

井上尚弥選手が次の試合で挑むのは、史上2人目の快挙「2階級4団体王座統一」。対戦相手は、現在、WBAとIBFの世界スーパー・バンタム級王者マーロン・タパレス選手(フィリピン)です。

近藤:マーロン・タパレス選手は、井上選手の1つ年上の31歳、サウスポーでオールラウンドの選手です。今年の4月にアメリカ・サンアントニオ(テキサス州)で、当時チャンピオンだったムラドジャン・アフマダリエフ選手に判定勝ちをして、WBAとIBFのスーパー・バンタム級王座になりました。

実はマーロン・タパレス選手は、これまでにも日本のリングに何回か上がっています。石川、大阪、京都で戦い、これまで日本での試合は全勝です。ただ2019年にニューヨークでおこなわれたIBF世界スーパー・バンタム級暫定王座決定戦での岩佐亮佑選手との試合は、11ラウンドTKOで敗れています。ただ、これが最後の敗戦で、その後は連勝。通算成績も37勝3敗(19KO)を誇っています。

◆「周囲の楽勝ムードが一番怖い」

ユージ:マーロン・タパレス選手は、今月19日に来日、20日に公開練習をした際に、今回の試合について「勝つ確率は2000%だ」と言い放っています。自信がかなりあるとみていますが、実際のところ周りの評価はどうなのでしょうか?

近藤:海外のスポーツブックによると「マーロン・タパレス選手の勝利」のオッズ9倍に対し、「井上尚弥選手の勝利」のオッズは、なんと1.07倍(12月25日時点)。もうこれは世界中のファンが“井上尚弥が圧倒的優位”と見ている証で、私もスピード、パワー、テクニック、クレバーさ、メンタリティ、すべてにおいて井上尚弥選手が上回ると見ています。

注目点は、マーロン・タパレス選手がどんな戦い方をしてくるのか、この1点でしょう。試合はおそらく、早めにマーロン・タパレス選手が仕掛けてくると思います。マーロン・タパレス選手が積極的な戦い方で井上尚弥選手がペースをつかむ前に攻略したい、というのが思惑でしょう。

しかし、総合力では井上尚弥選手が明らかに上とみていますから、3〜5ラウンドあたりで、井上尚弥選手がKO勝ちを収めるのではないでしょうか。ただ、マーロン・タパレス選手の右ジャブからの左強打は一撃必倒の威力があります。もし大番狂わせが起こるとしたら、マーロン・タパレス選手の左、これがカウンターでヒットしたときかもしれません。

ユージ:マーロン・タパレス選手の左カウンターに要注意ということですね。井上選手は、世界での評価も成績も含めて最強ですから、確かにオッズが井上選手の勝利を予想しているのはよく分かります。

なお、今回の試合について井上選手は「周囲の楽勝ムードが一番怖い。気を引き締めてしっかり勝ちにいく」と語っています。どんな相手であっても絶対に気を抜かない気持ち、さすがだと思います。“モンスター”と呼ばれる井上選手に油断はなさそうですね。

もし今回の試合で、2階級4団体王座統一を達成したら、次の目標はどうするのでしょうか。井上選手には、いけるところまでいってほしいです! この先の活躍する未来も期待しています。

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12月22日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
https://www.tfm.co.jp/link.php?id=7715
聴取期限 2023年12月30日(土) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月曜〜金曜6:00〜9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/one/