大谷翔平との“994億後払い”に再評価の声 ド軍の山本由伸獲得を実現させた異例契約に賛辞止まず「行いは正しかった」

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ドジャースと歴史的な契約を交わした大谷。その内容がふたたび脚光を集めている。(C)Getty Images

 あらためて、異例の契約に対する評価が高まった。

 現地時間12月21日、今オフにオリックスからのポスティングでメジャー移籍を決断した山本由伸とドジャースが12年総額3億2500万ドル(約471億2500万円)で契約合意したと米メディアが一斉にすっぱ抜いた。

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 いまだメジャーで1球も投じていない投手に対する契約とは思えぬ金額だ。なにせ、12年は投手史上最長であり、後払いなしの3億2500万ドル(約471億2500万円)は2019年にゲリット・コールがヤンキースと交わした9年3億2400万ドル(約469億8000万円)を超える投手史上最高額だ。

 今オフは先発投手の補強が「最優先」ともされていたドジャースにとって、願ってもない大物の獲得と言えよう。競合相手となったメッツも3億ドル(約435億円)のオファーを準備していたという争奪戦で、西海岸の名門を勝者としたのは、わずか12日前に結ばれた契約による影響が大きい。

 現地時間12月9日にドジャース移籍を発表した大谷翔平は、10年総額7億ドル(約1015億円)というプロスポーツ史上最高額の契約を締結。同時に7億ドルのうち6億8000万円(約994億円)を契約満了後に受け取る支払い方式にも合意し、今後10年間の年俸をわずか200万ドル(約2億9000万)とする決断を下した。これまでメジャーリーグにおける後払いの割合で最高だったのは、2015年にナショナルズと契約したマックス・シャーザーの50%。それを大幅に上回ったのである。

 総年俸を減らし、ぜいたく税対策に協力すれば、ペイロールに余裕の出るドジャースは補強に資金をつぎ込める。今月14日に行われた入団会見において「今受け取れる金額を我慢して(チームの)ペイロールに柔軟性を持たせられるのであれば、僕は全然後払いでいい」と告白した大谷にとって迷いのない決断であった。

 二刀流スターの強い意志に球団も応えた。7日後にはレイズからトレードで獲得した怪腕タイラー・グラスノーと5年1億3500万ドル(約195億7500万円)で新契約を締結。そして、21日に山本と先述の大型契約を成立させた。

 大谷が生み出した資金的な余裕が有効活用された。これには地元メディアも、改めて評価を記している。日刊紙『LA Times』は「ドジャースがこの大型補強をできるように、型破りな契約に同意したオオタニの行いは正しかった」と称賛。また、エンゼルスの贔屓紙『Orange County Register』も「オオタニが6億8000万ドルの後払いを受け入れたことで、ドジャースは強化し続けるための柔軟性を手に入れた」と綴っている。

 4年ぶり8度目のワールドシリーズ制覇に向けた土台は整ったドジャース。来シーズンは、歴史的な大補強が正しかったのかが問われる1年となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]