カレーは常温保存NG 加熱でも死滅しない「ウェルシュ菌」 予防するには?
カレーやシチューなどの煮込み料理は、正しく保存しないと、ウェルシュ菌による食中毒が発生する恐れがあるとして、農林水産省がX(旧ツイッター)などで注意を呼び掛けています。
100度で加熱しても死滅せず
農水省によると、ウェルシュ菌は食べ物とともに人の腸に達すると、腸内で毒素をつくり、食中毒を引き起こします。100度で1時間の加熱にも耐える「芽胞」を作るため、鍋などでの加熱調理の際に死滅しないということです。
農水省は、ウェルシュ菌による食中毒を防ぐために、次のような対策をするよう呼び掛けています。
(1)常温のまま放置せず、できるだけその日のうちに食べ切る
ウェルシュ菌が増えることのできる温度帯は約12〜50度とされており、料理を常温のまま長時間放置すると、ウェルシュ菌が増殖してしまう。増殖する前に、できるだけ早く食べ切るようにすること。
(2)保存の際は、小分けするなどして、できるだけ早く冷ます
作った煮込み料理を保存する際は、あら熱をできるだけ早く取り、速やかに冷蔵庫や冷凍庫に入れること。底の浅い平たい容器や保存用の袋に小分けにすると、温度が早く下がりやすくなる。
(3)再加熱の際は、おたまで鍋底までかき混ぜ、中心までしっかりと加熱する
よくかき混ぜることで、カレーなどのとろみのある煮込み料理も、まんべんなく加熱ができる。ウェルシュ菌は芽胞を形成するため、熱に強いが、ウェルシュ菌が出す毒素を不活化できる。
なお、煮込み料理以外には、スープや麺つゆなどでもウェルシュ菌による食中毒が発生したケースがあるということです。