(株)アペックス(TDB企業コード:380010363、資本金8700万円、石川県金沢市東蚊爪町ラ47−1、代表沖野幸一氏、従業員190名)は、10月3日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日弁済禁止の保全処分および監督命令を受けた。

 申請代理人は荻野聡之弁護士(東京都千代田区大手町1-1-1大手町パークビルディング、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業、専用電話03-6864-3039)ほか7名。

 監督委員には鈴木雅芳弁護士(東京都千代田区平河町2-4-13ノーブルコート平河町201、多田総合法律事務所、電話03-6261-3822)が選任されている。

 当社は、1976年(昭和51年)4月創業、78年(昭和53年)4月に法人改組した貨物自動車運送業者。93年に冷蔵・冷凍倉庫を建設したことで冷凍食品の取り扱いが可能になり、大手冷凍食品会社のほか、中小食品メーカーなどが製造した冷凍食品を、北陸3県下の食品スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストア、外食チェーンなどへ配送。倉庫保管収入も獲得してきた。

 業務のIT化などで先進的な取り組みも見せながら、2015年以降は北陸エリアの運送会社のM&Aを積極化するほか、2016年には本社前に新たな冷凍倉庫を建設(後に増築)。さらに、2019年にも福井市内に新たな物流センターを開設するなどで業容を拡大し、2023年3月期は年収入高約47億9200万円を計上し、当地トップクラスの規模に成長。将来的な株式公開も視野に入れていた。

 しかし、10社以上にのぼるM&Aの資金に加え、倉庫や物流センターなどの建設資金を借入金によって賄ったことで、年商に匹敵する規模の借入金を抱えるに至った。これらの投資に見合う利益を上げることができず、支払い利息や元金返済の負担から資金繰りが急速に悪化。今年9月には取引金融機関に対して一時停止の通知を行うなど私的整理での再建も模索していたものの、自主再建を断念した。

 負債は約92億円。

 今後は、スポンサー候補を募る予定で、当面の資金繰りについては金融機関からのDIPファイナンスの導入が検討されている。

 なお、債権者説明会は10月10日午後4時から「井門金澤ビル6階(TKP金沢新幹線口会議室)」(金沢市堀川新町2−1)にて開催予定。