コロナ禍で外出を控えていた日々も一段落し、「そろそろ海外旅行に行きたい」と考える人は多いでしょう。その一方で円安の今、アメリカドルもユーロも高くて手が出ないと感じている人もいるのではないでしょうか。抑えた価格で海外旅行や買い物をしたいとき「ビッグマック指数」という経済指標をチェックすることで、国ごとの物価水準を把握することができます。

「ビッグマック指数」とは?

イギリスの経済専門誌「エコノミスト」が年2回発表している「ビッグマック指数(The Big Mac index)」。世界共通の商品であるマクドナルドのハンバーガー「ビッグマック」の平均価格をアメリカドルに換算。その価格を国ごと比較することで、通貨の購買力を評価する指標としています。例えば海外旅行先を選ぶ場合、ビッグマック指数が高い国ほど割高で、低い国ほど割安ということになります。

日本の「ビッグマック指数」は何位?

出典:エコノミスト「Our Big Mac index shows how burger prices are changing」

では、日本の「ビッグマック指数」はどのように推移しているのでしょうか。現時点で最新のビッグマック指数は、2023年7月に発表されています。日本の換算価格は450円(3.17ドル)です。2022年7月の換算価格は390円(2.83ドル)、2023年1月は410円(3.15ドル)ですから、日本の物価はやや上がっていることがわかります。

しかし、アメリカと比較すると、アメリカでは5.58ドルでビッグマックを購入できるのに対し、日本は3.17ドルで購入できる換算となり、日本の方がかなり安くビッグマックが買えることになります。

世界のランキングを見ると日本の「割安感」は顕著で、最新版の1位はスイスで7.73ドル。日本の倍以上の価格です。2位はノルウェーで6.92ドル、3位ウルグアイが6.86ドル、4位アルゼンチンが5.99ドル、5位ユーロ経済圏が5.82ドルとなっています。日本の順位は54ヶ国中、44位。2022年7月と2023年1月はともに41位で、やや順位を落としています。

ビッグマックは世界共通の食べ物で、材料や調理法、サイズもほぼ同じと言われている一方で、原材料費や税率など国ごとに異なる経済条件もあります。日本の店舗では2023年7月19日から、都心の一部店舗でビックマックを450円から500円に値上げしていますが、そうした地域差も反映されていません。ビッグマック指数はあくまで参考程度の指標と捉えた方がよさそうです。それでも、おおよその物価水準を簡単に把握することができます。ビッグマック指数をチェックすることで、日本の経済について考えるきっかけとなるのではないでしょうか。