アジア8ヶ国の中で日本人は将来を悲観している人が多い? 博報堂生活総研が調査
コロナ禍の長期化にともなうライフスタイルの変化、円安や物価上昇といった最近の経済事情など、私たちを取り巻く状況は日々変化しています。それにともない、私たちはどのような意識や価値観を持っているのでしょうか。また、国によって抱く感情にどのような違いがあるのでしょうか。
日本人の4割以上が「自分の将来イメージは暗い」
博報堂生活総合研究所がアジア8ヶ国の生活者の意識や価値観、行動を把握するため「グローバル定点2023」を実施。日本人の特徴を分析しました。
「自分の将来イメージは暗い」と回答した人の割合を各国で比較すると、日本が突出しており43.7%という結果に。次いでシンガポールが14.1%、その他の国は一桁台で、日本人は将来にネガティブな印象を持つ人が圧倒的に多い事実が浮き彫りになりました。また、男女で結果を比較すると、男性が50.7%で、女性の36.8%を大きく上回りました。年代別で見ると、40歳以上が50%前後と、半数近くの人が将来を悲観している結果となりました。
今後の経済状態に楽観的な日本人は、わずか1割程度
「今後、自分の経済状態は楽になると思う」と回答した人の数を各国で比較すると、ベトナム、インドネシア、中国は8割以上で、その他の国も5割は超えているのに対し、日本はわずか11.3%という結果に。性別による違いはあまりありませんでしたが、年代が上がるほどに経済状況を悲観している人が増え、40代は7.3%、50代は7.7%と一桁台です。子育て費用や住宅ローン返済の負担を大きく感じたり、老後に向けた貯蓄額が心もとないと感じたりする人が多いのかもしれません。
今回の調査結果から、物価が高騰しているのに収入がなかなか増えず、明るい未来を描くことができない日本人の多い現状が垣間見えます。経済状況を理由として将来に不安を感じている人は、働き方の見直しや資産運用の検討など、何らかのアクションを起こすことで気持ちを切り替えてみてはいかがでしょうか。