3,500万円の住宅ローンの返済金額や利息をシミュレーションしてみよう!
住宅ローンを利用したマイホームの購入を検討する際、返済額や支払う利息がどれくらいになるかは事前に確認しておくべき重要なポイントです。将来の返済負担を計算するには、住宅ローンのシミュレーションツールを活用するとよいでしょう。
この記事では3,500万円前後の住宅ローンを組もうと考えている人向けに、シミュレーションツールを活用した返済額や利息の計算方法を紹介します。併せて、住宅ローンを組む際の注意点、シミュレーションツールを使った返済計画の立て方、3,500万円の住宅ローンが組める人の特徴などについても解説するので、マイホームの購入を考えている人は参考にしてください。
3,500万円の住宅ローンを組んだ場合の返済シミュレーションをしてみよう!
さっそく3,500万円の住宅ローンを組んだ場合、月々の返済金額や総返済額がどうなるのかみていきましょう。ここではARUHIが提供するシミュレーションツールを活用し、以下の条件でシミュレーションします。
ARUHI住宅ローン|借入希望金額から試算 | 住宅ローンシミュレーション
なお、この先のシミュレーションでは特に断りがない限り、下の条件を用いるものとします。
上記の条件でシミュレーションすると月々の返済金額は11万976円、総返済額は4,660万9,745円、返済期間に支払う利息の総額は1,160万9,745円です。頭金として500万円を入れているため、融資比率(所要金額に占める借入金額の割合)9割以下の金利が適用されています。
頭金なしのフルローンで借り入れるケースでは借入金額や適用金利が高くなるため、月々の返済額や利息の総額がアップします。
住宅ローンを組む際に注意すべきポイントは?
住宅ローンを組むにあたっては、長期間にわたって続く返済負担を考慮しなければなりません。シミュレーションツールを活用して、これから紹介する対策を講じることで、返済が困難になるリスクを回避できるでしょう。
返済負担率が高くなりすぎないように注意しよう
年収に対する年間ローン返済額の割合を返済負担率(返済比率)と呼びます。金融機関によって基準は異なるものの、一般的に返済負担率30~35%以下であれば住宅ローンを組むことは可能です。
しかし、基準ギリギリの返済負担率となるような借り方をしてしまうと、支出増や収入減に対応できるだけの余裕がなく、将来的な住宅ローン破綻のリスクが高まってしまいます。後ほど詳しく紹介しますが、無理なく返済するには返済負担率が25%以下になるように調整して住宅ローンを組むのがおすすめです。
シミュレーションツールを活用すれば自分にとって適切なローン金額がわかるので、破綻のリスクを回避することができます。下のシミュレーションツールを用いて、毎月の希望返済額から借入可能額を試算するとよいでしょう。
ARUHI住宅ローン|毎月の返済額から試算 | 住宅ローンシミュレーション
返済の方法によって支払う利息に差が生じることを理解しておこう
住宅ローンを検討するにあたっては、金利タイプや返済方法によって、支払わなければならない利息と総返済額に差が生じる点を理解しておく必要があります。
まず、金利タイプは大きく2種類あります。それぞれの特徴は次のとおりです。
⚫︎ 固定金利
・一定期間もしくは完済時まで金利が変わらない金利タイプ
・資金計画が立てやすい一方で金利は変動金利に比べて高めの傾向
⚫︎ 変動金利
・市中金利に連動して返済期間中の金利が都度見直される金利タイプ
・将来の総返済額が見通せない分、固定金利に比べて当初金利が低め
日本では低金利が長らく続いており、当初金利の低い変動金利が近年では主流となっています。ただ、将来金利が上昇局面になると月々の負担増も考えられるため、慎重に判断する必要があるでしょう。
続いて、二つの返済方法についても特徴を簡単に紹介します。
⚫︎ 元利均等方式
・月々の支払額が一定になる返済方法
・返済計画が立てやすい
・元金均等方式に比べて当初の返済額が少ない一方、総返済額は多くなる
⚫︎ 元金均等方式
・月々の返済のうち、元金部分の支払額が一定になる返済方法
・元金の減りが早く、返済が進むにつれて月々の返済額が利息分だけ少なくなる
・元利均等方式に比べて総返済額は少ないが、当初の返済負担は重くなる
先ほどのケースで試算すると、元金均等方式では最初の月の返済額が13万3,499円と元利均等返済に比べて2万円強高くなります。一方、総返済額は4,555万9,917円となり、元利金等返済よりも約105万円少なくなるのです。
また、返済期間による返済負担の違いも考慮しなければなりません。先ほどの元利均等返済の条件で返済期間を30年に短縮すると、月々の返済額は12万4,521円と1万3,000円あまりアップしますが、総返済額は4,482万7,492円と約178万円も少なくなります。
このように金利タイプや返済方式、返済期間によって返済負担は大きく変わります。自分に合った住宅ローンを選ぶには、事前にシミュレーションツールを活用した返済シミュレーションを行うことが重要です。
シミュレーションツールの上手な活用方法とは?
返済シミュレーションの重要性がわかったところで、続いてはシミュレーションツールの上手な活用方法を紹介していきます。
月々の返済額が手取り月収の25%以下になるに調整しよう
シミュレーションツールを用いる際、借入希望額や年収から試算するのではなく、毎月の返済可能額から借り入れられる金額を試算してみましょう。月々の返済額が手取り月収の20~25%程度になるよう条件設定するのがおすすめです。
住宅費用や家賃にかけていい金額は「月収の1/3まで」などといわれることもありますが、マイホームの返済負担率にそのまま当てはめるのは危険です。購入時の諸費用や毎年の固定資産税・都市計画税などもかかるため、返済負担率はそれよりも低めになるよう調整しましょう。
月々の返済額を手取り月収の25%以下にすることで、住宅ローン破綻のリスクを軽減できるほか、将来多少の金利変動があっても対応できます。
支出が増える時期や収入が減る時期に返済負担が重くならないよう調整しよう
月々の返済額は同じでも、ライフステージによって経済的な負担の度合いは変わってきます。子どもが大学に進学して教育関連の支出が増える時期や、役職定年により収入が減る時期などは、特に返済負担が重くなりやすいタイミングです。
しかし、こうした時期は10年以上前から予測可能なものであり、ローンの返済負担が重くならないよう事前に対策を講じることができます。
返済負担を軽減する方法として効果的なのが繰り上げ返済です。返済期間を変えずに返済額を少なくする返済額軽減型を選んでその時期の毎月返済額を減らしたり、返済額は変えずに返済期間を短くする返済期間短縮型で時期が到来する前に完済を目指したりする方法が考えられます。
また、支出増・収入減が見込まれる時期だけでも金利の変動しない固定金利を選ぶ、元金均等方式で返済額を減らせないか検討するなどの対策も、場合によっては有効です。
3,500万円の住宅ローンが組めるのはどんな人?
実際に3,500万円の住宅ローンが組めるのはどのような人なのでしょうか。ギリギリ組める人と無理なく組める人に分けて特徴を解説していきます。
3,500万円の住宅ローンがギリギリ組める人の特徴
3,500万円の住宅ローンを組むためにはどれくらいの年収が必要なのか、こちらのシミュレーションツールを用いて試算します。
ARUHI住宅ローン|現在の年収から試算 | 住宅ローンシミュレーション
上記ツールを用いて算出すると、35年ローンを元利金等返済・融資比率9割以下で借り入れる場合、年収400万円で借入可能額が3,679万円となります。
【フラット35】では返済負担率の基準が年収により異なり、年収400万円未満は30%以下、年収400万円以上は35%以下の設定です。年収400万円未満になると借入可能額が大きく低下してしまうため、3,500万円の住宅ローンをギリギリ組める年収はほかの借り入れがない場合で400万円程度といえるでしょう。
もちろん基準以下の年収であっても、夫婦でペアローンを活用するなど3,500万円の住宅ローンを組む方法はあります。ただし、返済負担が大きくなるため推奨はしません。
3,500万円の住宅ローンが無理なく組める人の特徴
次にこちらのシミュレーションツールを用いて、3,500万円の住宅ローンを無理なく組めるのは年収がどれくらいの人なのかみていきましょう。
ARUHI住宅ローン|毎月の返済額から試算 | 住宅ローンシミュレーション
無理なく返済できるとして推奨される返済負担率25%を基準に考えると、毎月の返済可能額は年収500万円で10万4,166円、年収550万円で11万4,583円となります。シミュレーションツールの試算結果によると借入可能金額は、毎月の返済額10万円で3,153万円、毎月の返済額11万円で3,469万円です。つまり、年収が550万円程度あれば3,500万円の住宅ローンを組んでも、住宅ローン以外に借り入れがない場合は返済負担率を25%以下に抑えられる計算になります。
年収が550万円未満でもペアローンなどを組めば3,500万円以上の借り入れも可能ですが、あくまでも一人分の収入で返済できる範囲内の住宅ローンを組むのがおすすめです。
まとめ
住宅ローンを組む際は、返済負担率が高くなりすぎないよう調整することで無理ない返済が可能となります。返済方式や返済期間、金利タイプの違いによって、支払う利息の総額や総返済額が大きく変わることを理解しておきましょう。
3,500万円の住宅ローンを組むにあたって、ギリギリ組める人と余裕を持って返済できる人の必要年収は異なります。住宅ローンの検討時はシミュレーションツールを上手に活用し、無理のない返済計画を立てましょう。