掃除の手間、前面道路にまつわる悩み、日当たりや真っ暗な夜の不安…。100件のモデルルームを見学、土地選びには半年をかけて「よい土地を選び抜いたつもり」だった日刊住まいライターが、自身の土地の残念な点について語ります。家を建てて実際に暮らしてみて、初めて気づいた「こんなはずでは…」。家づくりの際はご注意を。

落ち葉が多い環境では、掃除の手間が増える

現在、夫婦ふたりで平屋に暮らしている筆者。2年ほど前、30代目前にハウスメーカーで注文住宅を建てました。

家づくりに選んだ土地は、近所に木がたくさんあります。自然豊かで、一見すると雰囲気もよさそう。しかし、季節によっては落ち葉が庭にたくさん入ってきます。

前面道路に面した庭は、駐車場を除いて砂利敷きにしたわが家。ホウキで掃除するのが、非常にやりにくい…。そのうえ、敷地の周りを柵や塀で囲ってないこともあり、さらに落ち葉が入りやすい状況に。外構のプランという点でも、残念です。

土地選びのときには、周りに落葉樹があるか確認する必要がありますね。たくさん木があると、落ち葉も多そうだと考えたほうがよいでしょう。

加えて、自分の家のシンボルツリーも落葉樹だと、落ち葉の処理が大変なので注意が必要です。

 

前面道路が狭く、庭に人やクルマが侵入する

わが家が立つのは、幅4mほどの狭い道路沿い。しかし、クルマや人の通行量がそこそこ多く、通行人がクルマを避けるときや、クルマ同士がすれ違うときに、人やクルマが敷地に入ってくることがあります。

侵入されることで大きな被害があるかといえば、今のところはとくになし。しかし、自分の土地なので、よい気はしません。

それにこの状況では、安心して庭にものを置けないのです。小さなものだと、ドライバーに気づかれず、タイヤに踏まれてしまう可能性も。わが家はタープを張って、庭にギアを並べて、アウトドアを楽しむこともあります。

柵や塀をつけることも考えました。しかし、そうなると、ゲストがクルマを停める駐車スペースとして、庭が使えなくなってしまいます。なんとも悩ましい状況。

前面道路が狭くて駐車しづらい

土地探しでは、「ある程度広い前面道路に接地した敷地」を望んでいた筆者。車庫入れしやすい家にしたかったのです。しかし、前面道路が広い土地は価格が高くて、妥協することになりました。

結果、やはりバックでの駐車がしづらい。どれくらい駐車しづらいかと言うと…。毎回駐車するときに、向かいの家の塀にクルマの障害物感知センサーが反応してしまうほどです! 車庫入れのたびに、神経をとがらせねばなりません。

それでも、わりとすぐに慣れました。ただ、筆者では不便を感じなくても、慣れてないゲストには、「駐車しづらい」と言われます。

 

隣の家が大きくて朝日が当たらない

朝、洗面所で支度をするときに朝日を感じたい! この希望を実現するため、わが家の洗面所の東側に窓をつけました。しかし現実には、隣の家が思いのほか大きくて、朝日が入ってきません。

もし、隣に2階建てが建つことになれば、朝日が入らないだろう…。このプランを採用したとき、じつはそう思っていました。筆者が土地を購入したのは、隣が建築を始めたタイミングだったのです。

一度決めたプランです。筆者はあとには引けず、「大きくない家であれ!」と祈りながら隣の様子を見守ったのですが…。なんと、近所でいちばん大きい家が建ちました。

「土地を選ぶ際は、近所の家から日当たりの影響を受けること、あとから建物が建設される可能性があることをしっかり考慮しましょう」。これは、よく聞く話ですが、このときは、本当に身にしみました。

土地周辺の街灯が少なくて、夜になると暗く不安に

敷地周辺の夜における明るさは、意外に大事です。筆者も土地を買う前に、街灯の様子や月明かりについて確認していました。

そのときも暗めだと感じていましたが、実際に住んでみてその近所を歩いてみると、家まで帰る道のりも「暗いな」と思いました。夜、家に帰ってくるときに、危ないしさびしい雰囲気です。

近所の街灯を増やすのは現実的ではないので、せめて庭に照明をもっとつければよかったと後悔。対策として、幸い南向きの日当たりは良好の庭なので、充電式のソーラーのライトをあとづけで設置しました。

 

自治会の費用がかかる、おつき合いの負担がある

筆者が住む地域では、自治会への参加が必要でした。参加しないとゴミ捨てが使えないという理由からです。その会費や、地域の掃除に参加できなかったときに支払う費用など思わぬ出費がありました。

自治会によっては、掃除の頻度や交流のイベントが多くて大変というところもあるよう。土地選びの段階で、自治会のことも考慮するのは大事です。

土地を選ぶ際に、近隣の方々に話を聞けていれば、自治会のことも事前に把握できたと思っています。

以上、わが家の敷地の「ちょっと残念な点」について紹介しました。

費用の制約があるので、100%理想の敷地を手に入れることは難しいでしょう。デメリットがあることを承知で、土地を選ばざるを得ないことは当然あります。気をつけたいのは、デメリットに気づかず、住んでみてから「こんなはずではなかった」という事態を招くこと。できるだけ敷地環境についてリサーチをして、避けたいものです。