今週デビュー予定のホウオウプロサンゲ(写真中、7月19日撮影:井内利彰)

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 先週で福島、中京の開催が終了。今週からは新潟開催が始まり、関西圏は2週空いて、小倉開催がスタートするという日程になっている。つまり、栗東所属馬も新潟への出走が主になり、新馬戦でもそれが同様となる。

 今年も2週間だけの「2回新潟」開催が行われるが、昨年の2回新潟開催で行われた新馬戦は8レース。うち、芝レースは6レースだったが、そのうち5レースの勝ち馬が栗東所属馬だった。今年も2回新潟の新馬戦を栗東所属馬が圧倒するのか、もしくは美浦所属馬が巻き返しを見せるのか。

【7月29日(土) 新潟ダート1200m】

◆ウエスタンシーズン(牡、父アメリカンペイトリオット、母ウエスタンベッラ、栗東・西園正都厩舎)

 きょうだいには目立った活躍馬はいないが、日本で活躍するアメリカンペイトリオット産駒にはスプリングSで芝重賞を勝っているビーアストニッシドやダートで4勝を挙げているパワーブローキングなど、いろんなタイプがいる。

 本馬はスピードタイプ。先々週の坂路でラスト1F11.9秒をマークしたかと思えば、先週の坂路では4F51.9秒。速い全体時計なので、この時期の2歳なら後半が失速しがちだが、2F24.1秒、1F12.0秒とむしろ後半の方がしっかりしている。「芝でもやれるスピードや気性的に距離も融通が利きそうだけど、まずはこの距離から」と西園正都調教師。鞍上は石橋脩騎手が予定されている。

【7月30日(日) 新潟芝1800m】

◆ホウオウプロサンゲ(牡、父キズナ、母セルキス、栗東・矢作芳人厩舎)

 2021年セレクトセール当歳にて、4億1000万円(税抜)と超高額で落札されたキズナ産駒。半兄に皐月賞2着などのGI実績があるヴェロックス(父ジャスタウェイ)。本馬のこの番組でのデビューは流動的だが、出走となれば、昨年2回新潟3日目芝1800mでデビュー勝ちを決めたフェイト(父リアルスティール)と同じ舞台ということになる。ちなみにフェイトもセレクトセールで1億6000万円(税抜)という高額で落札されている。

 先週のCW追い切りには坂井瑠星騎手が騎乗。中京記念に出走したホウオウアマゾンに先行したが、これをライブで見ていた時はかなり遅れるのでは、と心配したのだが、最後の直線では詰め寄る相手に対して、最後まで食い下がって、ゴールでの遅れは僅か。ラストも11.6秒で伸びており、ここまで動けば十分だし、まだまだ良くなりそうな雰囲気がある。

◆ミッキースターダム(牡、父エピファネイア、母ベルダム、栗東・音無秀孝厩舎)

 2021年セレクトセール当歳にて、9200万円(税抜)で落札されたエピファネイア産駒。おばのジェンティルドンナ(父ディープインパクト)は現役時代に牝馬三冠、ジャパンC連覇など素晴らしい活躍を見せ、母としても昨年のエリザベス女王杯を勝ったジェラルディーナ(父モーリス)を出す名牝。

 本馬は7月6日に坂路で4F51.8秒をマーク。翌週には坂路4F51.9秒をマークし、2週続けて速い時計を出しただけに、音無秀孝調教師のトーンも高いだろうと思ったが「終いが13秒台なので、ここがどうか」と心配点も挙げていた。先週の坂路でもラストが13秒を切ることができなかっただけに、水準以上の時計が出ていることは間違いなく、やはりスピードはありそう。なお、鞍上は戸崎圭太騎手が予定されている。

【7月30日(日) 札幌芝1800m】

◆キャプテンシー(牡、父モーリス、母アドマイヤリード、栗東・松永幹夫厩舎)

 母は現役時代に2017年ヴィクトリアマイルでGIを制覇。6月にゲート試験を合格した際、トレセンニュースでも取り上げたが、小柄だけどしっかりしているというのは変わらない長所。栗東へ入厩して、その後、デビューに向けて札幌へ移動した。

 1週前追い切りはレースでも騎乗が予定されている鮫島克駿騎手が跨っての3頭併せ。他厩舎の2頭に挟まれる形だったが、ゴール前までしっかりと動けていた。追い切りの本数はさほど多くないが、体型を考えれば、これで十分といったところだろう。

(取材・文:井内利彰)