長岡一也さん(フリーアナウンサー)

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【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆今年はハンデと脚質に注目

 ハンデ重賞が続くが、それらしい結果だった七夕賞、函館記念を受け、今週の中京記念にも波乱を考えたくなる。

 ハンデ頭の苦戦はここでも続いているが、因みにどんな馬が勝ってきたかを振り返ってみた。

 中京のマイル戦としてスタートしたのが11年前、このときからサマーシリーズは始まっている。中でもここ3年は阪神、小倉で行われていたので、4年前の2019年から遡った8年間を取り上げてみた。

 直線が長く坂のあるコースの特性から、上がり3ハロンの最速馬が5勝もしていて、他の3頭も、上位の末脚で駆け抜けていた。中京が初コースであっても、同じ左回りの経験があれば問題はない。

 2012年の勝ち馬フラガラッハ(牡5、57キロ、5番人気)は初コースだったが、それまで東京で2勝していた。平均のペースの最後方から大外を一気に追い込んでいたが、翌年も、一年前のVTRを見ているかのように外から差し切り、連覇を達成していた。2年目もハンデ57キロだったが、ずっと敗戦が続いていたので5番人気にとどまっていた。メンタル面でムズカシイ馬だったが、中京は相性が良かったのだろう。

 9年前の勝ち馬サダムパテック(牡6、58キロ、7番人気)も最速の上がりだったが、2年前のマイルCS以来、1年8か月ぶりの勝利だった。中京は初コースだったが、前走は安田記念で0.7秒差の7着と走っていて、左回りでも問題ないことを示していた。

 8年前のスマートオリオン(牡5、57キロ、6番人気)は、スプリント路線から矛先をマイルに向けてきた新星で、3番手の内でスタミナのロスを防いでいた。

 7年前のガリバルディ(牡5、55キロ、7番人気)は、2年前の京都新聞杯3着以来の重賞だったが、ディープインパクト産駒らしく、33秒6の末脚で決めていた。

 6年前はウインガニオン(牡5、57キロ、5番人気)で、新潟と東京の左回りで連勝して力をつけていたが、2番手から内ラチ沿いを抜け出していた。

 5年前はグレーターロンドン(牡6、56.5キロ、1番人気)で、全6勝中5勝がマイルという巧者。初見参の中京だったが、破壊力のあるディープインパクト産駒の本領を発揮し、連敗の続いた1番人気にピリオドを打った。

 そして4年前の2019年がグルーヴィット(牡3、52キロ、3番人気)で、キャリア5戦のロードカナロア産駒。ダート2戦2勝でパワーがあり、ヤヤ重も味方し中団から差し切っていた。

 今年はハンデと脚質に重点をおいて考えてみたい。前走の内容からコースと相性のいいディヴィーナには条件が整っている。これに未知の部分のあるディープインパクト産駒のルージュスティリアの本領発揮と、54キロ以下の牝馬2頭に注目した。これに、早めに栗東入りして準備してきたウイングレイテストを加え、唯一のGI馬ダノンスコーピオンは59キロでは押さえまでとした。

「この決め手 夏の王者に ふさわしく」