志麻さんの「家族が喜ぶ夏ごはん」。漬け込むだけで肉も野菜もぐんとおいしく
フランス料理のシェフから家政婦に転身し、気軽でおいしい家庭料理レシピが大人気のタサン志麻さん。
そんな志麻さんのパーソナルマガジン『à table SHIMA vol.05 夏号』が本日発売に! 今回のテーマは「志麻の夏ごはん」。ここでは、夏に食べたいマリネをご紹介します。忙しい日も、マリネがあればあわてません!
タサン志麻さんの夏ごはん。ちょっとの仕込みで、すぐにおいしい「マリネ」
今週はきっと忙しくなるのがわかった時点でマリネを仕込む、という志麻さん。なぜならそのおいしさは、時間が決め手だから。
「まずはしっかり下味をつけ、仕上げは焼くだけにする。あるいは揚げてコクを出してから、漬け込む。つくりおきと、似ているようで少し違うのは、時間をおくことで味わいが増していくこと。つくる理由に、『おいしい!』がいちばんにあること。なによりそれが、私好みなのです」
●マリネは3パターン
「マリネ」と一言で言っても、つくり方はさまざま。3パターンのつくり方をご紹介します。
・フレッシュをマリネする
刺身用の新鮮な魚やフレッシュな野菜は、サラダの延長のように、塩、コショウ、酢、オイルなどであえるだけ。素材の傷みが早い暑い時季は、鮮度のいいうちにさっとマリネしておくと、味わいキープ&おいしさもアップ!
・焼くor揚げてからマリネする
素材をソテー、または揚げ焼きにしてから、調味料に漬け込んで。素材がまとう油のコクがマリネ液と合わさり、時間がたつほど一体感が生まれます。ほぼ完成させて冷蔵庫に入れられるので、志麻さんも忙しい日の前日によく仕込んでいるそう。
・マリネして焼く
肉や魚をマリネ液に漬け、味をしみ込ませてから加熱。「どうせ味の濃いマリネ液に漬け込むから」といって、下味の塩、コショウは省略しないこと。まず下味でうま味を引き出し、それからマリネするのがおいしさの秘訣。
●基本のマリネの味つけ
基本のマリネの味つけは、塩、コショウの下味にレモンなどの酸味をたし、そこに仕上げのオイルをひと回し。
「マリネをおいしくする要素は、塩け、酸味、オイルのまろやかさ。この3つがそろっていれば、難しく考えなくても大丈夫。ちゃんとおいしく仕上がるので、気軽に試してみてください」
酸味は酢とレモンを気分で替えたり、オリーブオイルをゴマ油にして中華風に仕上げたり。塩気をみそやナンプラーに替えれば、和風にもエスニックにも。自分好みの味をいろいろと試してみるのもおすすめです。
ふんわり甘くやわらかな「ポークジンジャーマリネ」
明日は忙しいけれど、今日は少しだけ余裕がある…。そんなときに志麻さんが仕込むというのが、「ポークジンジャーマリネ」。とんかつ用の厚めの豚肉を使った、ごちそう感あるショウガ焼きです。
リンゴとショウガ、ニンニクをしょうゆ、みりんと一緒にフードプロセッサーでペースト状にしたマリネ液に漬け込めば、酵素の効果でお肉はしっとりやわらか。漬け時間は30分ほどでもいいのですが、できればひと晩じっくりと。
食べるときは、フライパンで焼き目をつけたらソースと一緒に蒸し焼きに。疲れて帰ってきた夕方、さっと焼くだけででき上がるこのおいしいひと皿があると思うと、昨日の自分に感謝です。
できたても、なじんだ頃も格別な「トマトマリネ」
初夏から一斉に出回るトマト。ついたくさん買い込んで、気づいたら野菜室でしなしなに…なんて経験、ありませんか?
「旬のトマトはもちろんそのままでもおいしいのですが、少し手をかけると、おいしさが長もちするうえに、実に役立つ常備菜になります」と志麻さんは言います。
塩、コショウ、オリーブオイルだけでも十分ですが、今回はそこにタマネギのシャキシャキ感とパセリのさわやかな香りをプラス。色鮮やかなサラダにも、フレッシュなソース代わりにもなる、夏にうれしいひと皿に仕上がります。
ゆでたそうめんとあえたり、ソテーした豚肉や鶏肉につけ合わせ兼ソースとして添えたりするのもおすすめです。
志麻さん自身も愛用の「コーヒーカップ&ソーサー」を販売中
『à table SHIMA vol.05 夏号』(扶桑社刊)では、豚肉やトマト以外にも、便利でおいしいマリネのレシピをたっぷりご紹介しています。さらには、ピリッとスパイスの効いた「アジアごはん」や、お手頃価格でさまざまな料理に展開できる「鶏胸肉」レシピ、子どもと一緒につくりたい「手軽なおやつ」など、夏を楽しむ特集が盛りだくさんです。
また、好評発売の『志麻さんのベストレシピ 料理のきほん編』では、志麻さんが、「これだけは覚えておいてほしい」という志麻流“おいしい”をつくる20のルールをご紹介!