高価なイメージがある無垢材のフローリング。節(ふし)があるものを選択すれば、コストダウンになります。ただ見栄えが気になるところ。5年前に注文住宅を建てた際、リビングや個室に節ありの無垢材を使用した日刊住まいライターが使用感をレポートします。自分で塗装をして、約17万円の減額にも成功。また、水回りにはモルタル風の樹脂タイルを採用し、おしゃれな雰囲気はそのままに、掃除がラクになりました。

無垢材&タイルは譲れない!床材へのこだわり

筆者は夫と2歳娘の3人家族です。5年前に地元の工務店で、延床面積26坪の小さな家を建てました。1階にLDKや洗面所などの水回りがあり、2階には寝室や子ども部屋がある間取りです。

家づくりでは無垢材の裸足で過ごせる快適さや、優しい雰囲気に魅力を感じ、バーチ(カバ桜)の無垢材をリビングや2階のフローリングに採用しました。

キッチンや洗面所などの水回りには、比較的安価で手入れがラクなモルタル風の樹脂タイルを採用しました。

 

フローリングは節あり&施主塗装でコストダウンに成功

採用前に、バーチの床材のサンプルをいくつか比較しました。ちょっと個性的でほかの人とかぶりそうにない、節と赤身(木の中心の赤い部分)のある床材を選んでいます。

写真のように、木材の赤身と白太がランダムに並べて、表情豊かな床になりました。階段の同じバーチの集成材と比べても、違いは一目瞭然です。

ちなみにバーチ材は広葉樹。広葉樹は、幹から出た枝が分かれていって大きく樹幹を広げるので、杉や松のような針葉樹と比べると、枝は太くて少ないとのこと。それが理由なのか、節の部分とそれ以外の部分との色の差が、そんなになくて、悪目立ちしている印象はありません。

一般的に、節がない方が見た目も美しく高価だそう。気に入ったものを選んだのに、結果的にコストダウンできたのは、うれしい誤算でした。

 

じつは工事中、1階フローリングの表面仕上げを、自分でしました(施主塗装)。こちらはそのときの写真です。

結果、約17万円の減額に。使用したオスモカラー(植物油でできた自然塗料)は、DIY初心者でも塗りやすく、きれいに仕上がりました。

 

汚れがちな水回りにはタイルを選択して大正解

油汚れや水じみができやすいキッチンや洗面などの水回りには、無垢のフローリングではなくサンワカンパニーのモルタライク(複層樹脂タイル)を採用。

モルタライクは、ほかの床材に比べて安価です。しかし、モルタル調のマットな色味と質感があり、キズにも強いのが魅力。

わが家のキッチンと洗面所は、タイルの床続きになっているので、毎日さっとクイックルワイパーをかけるだけで掃除終了! 常に清潔な床を保てます。

5年後の床はキズだらけ…でも、目立たないので満足

わが家にはネコが3匹いることもあり、5年もたつと無垢材のフローリングには小キズが無数にあります。

ですが、無垢材のためキズがついても目立ちにくく、明るい色のバーチはホコリや汚れもあまり気になりません。節ありにしたことで、さらに目立ちにくくなっているように思います。

なにより娘が、木の温かみや変化していく様子を、肌で感じているようで、うれしく思います。

 

無垢の床は、ほかのインテリアともなじみやすいです。

住んでしばらくたってから追加したチーク材のサイドボードも、フローリングと色が違うので不安もありましたが、違和感なし。優しい雰囲気を醸します。

 

一方で、モルタライクも小キズは目立たないものの、複層樹脂タイルのため深いキズは表面が削れて白く目立ちます。

さらっとしていて触り心地はいいのですが、無垢の床と違い、冬は裸足では歩けないほど冷たくなります。これは、住んでからわかりました。

以上が、わが家が採用した床についてのレポート。筆者はコストを抑えながら、無垢材のフローリングをかなえました。タイルも取り入れ、両方のよさを感じられて満足のいく結果に。床の性質は先に理解しておくと、住んでからのギャップが少ないと思います。