22日の債券市場で、先物中心限月9月限は5日続伸。午前は手掛かり材料難から方向感に欠ける展開だったが、5年債入札を無難に通過すると買いが優勢となった。

 前日の米長期債相場は横ばいで取引を終えた。利上げ継続観測を背景に売られる場面もあったが、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が下院金融サービス委員会での議会証言の内容が伝わると買いが流入。「向こう数カ月に利上げを継続するが、ペースはより緩やかなものにすることが理にかなう可能性がある」「プロセスの初期段階で利上げのペースは重要だったが、今はさほど重要ではない」と述べたことで、市場では想定ほどタカ派的ではなかったと受け止める向きが多かったようだ。前週末の日銀金融政策決定会合を通過したあとの買い戻しが一服するなか、午前の債券先物は前日終値を挟んで推移した。ただ、午後に入ると5年債入札を通過した安心感から一時148円83銭まで上昇。小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が1銭と前回(5月15日)の2銭から縮小し、応札倍率が3.85倍と前回の3.70倍を上回ったことで、需要の底堅さが意識された。

 先物9月限の終値は前日比9銭高の148円76銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、前日と同じ0.370%で推移している。

出所:MINKABU PRESS