交流戦がラストチャンス?打率0割台のFA捕手が「正念場」を迎える理由

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ソフトバンクは現在23勝18敗でリーグ3位につけている

 ソフトバンクに移籍した嶺井博希が苦しんでいる。

 2022年のオフは捕手の移籍が目立った。最も注目された森友哉は今季ここまで、新天地のオリックスで打率ランキング2位の.300をマーク。チーム内1位の21打点をマークして、吉田正尚の抜けた穴を埋める活躍を見せ、現在2位の原動力として活躍している。

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 森のオリックス加入に伴い、半ば押し出されるような形で日本ハムに移籍した伏見寅威は、打率こそ.169と決して打撃面では結果が出ているとは言い難い。ただ、守備面での貢献度は高い。昨シーズンはリーグ5位のチーム防御率3.46を、今現在はリーグ2位の防御率2.95まで引き下げ、投手陣に安定感をもたらせている。ベテランとして、そしてオリックスを2連覇に導いた経験者として、若手が多いチームを牽引中だ。

 一方、嶺井は昨シーズンに放った殊勲打(先制打、同点打、逆転打)7本のうち決勝打は6本と、ここ一番での勝負強い打撃が光っていた。しかし、現在は打率.091、今シーズンのヒットは1本のみ。0本塁打、0打点と本領発揮できていない。加入時は「甲斐より打てる」という期待感も高かったが、その予想を大きく裏切る数字となっている。

 また、これまでスタメンマスクを被った試合は4戦4敗と、守備面でも思うような結果を残せていない。だからなのか、フル出場した試合もまだなく、5月25日の日本ハム戦では嶺井の3打席目に26歳の若手捕手の谷川原健太を代打で送られるなど、藤本博史監督からの信頼を獲得できていない状況。藤本監督はシーズン前に“正捕手”を設けずに複数の捕手を起用する“併用制”の導入を検討していた。これまでの試合を見ていると、そのプランは一時保留ということになっているようにも感じる。

 ただ、30日から行われる交流戦では、DeNA時代の経験を買われ、出場する機会が増えるかもしれない。裏を返せば、ここで結果を出せなければ、いよいよ出場機会が激減する可能性が高まる。4年契約の1年目で早くも正念場を迎えた嶺井。慣れ親しんだセ・リーグのチームを相手にどのような活躍を見せるのか期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]