子供のお小遣い相場はいくら? 金銭感覚を身につけるお小遣いのあり方とは
小学生や中学生の子どものお小遣いの相場はいくらなのでしょうか。また、いつからお小遣いをあげているのでしょうか。小学生や中学生の子どもを持つ親ならいろいろと悩むところでしょう。
今回は子どものお小遣いの相場について、金融広報中央委員会が行ったアンケート調査の結果にもとづいて解説します。
アンケート調査から見るお小遣い
子どものお小遣い事情がどのようになっているのか、金融広報中央委員会(事務局:日本銀行情報サービス局内)が行った子どものお金にまつわる日常生活のアンケート調査から見てみましょう。
出典:知るぽると 金融広報中央委員会 「子どものくらしとお金に関する調査(第3回) 2015年度調査」
お小遣いはあるか、ないか
アンケート結果によると、「お小遣いをもらっている」と答えた割合は、小学校低学年で72.9%、中学年では73.0%、高学年で73.2%となっています。
さらに中学生になると83.2%、高校生では80.9%という結果になっています。小学生では7割強、中学生・高校生の8割強がお小遣いをもらっていることになります。
小学生お小遣いのもらい方
では、お小遣いをもらう頻度はどうなっているのでしょうか。アンケート結果をみると、小学校低学年は毎日もらうと答えた割合が4.2%、1週間に1回が9.3%、月に1回が13.4%で、ときどきもらうと回答した割合が57.3%となっています。
小学校中学年になると、毎日もらうと答えた割合が1.9%、1週間に1回が7.0%、月に1回が32.1%、ときどきもらうと回答した割合は47.8%です。
そして高学年になると、毎日もらうと答えた割合は1.4%、1週間に1回が5.9%、月に1回が45.0%、ときどきもらうと答えた割合が38.3%と、高学年に移行するにつれ、月に1回の頻度でもらう割合が多くなっていることがわかります。
お小遣いの平均額
同じ調査からお小遣いの平均額をみてみましょう。小学生や中学生、そして高校生のお小遣いの平均額はどのくらいなのでしょうか。
小学生
小学生の場合、「月に1回」でもらっているケースと「ときどき」もらっているケースで分けると、以下のようになっています。
【月に1回】
低学年
・最頻値500円
・最も多い金額帯500円~700円未満(22.6%)
・平均値1,004円(中央値500円)
中学年
・最頻値500円
・最も多い金額帯500円~700円未満(25.8%)
・平均値864円(中央値500円)
高学年
・最頻値500円
・最も多い金額帯500円~700円未満(37.9%)
・平均値1,085円(中央値1,000円)
【ときどき】
低学年
・最頻値100円
・最も多い金額帯100円~200円未満(29.9%)
・平均値1,004円(中央値163円)
中学年
・最頻値100円
・最も多い金額帯100円~200円未満(24.2%)
・平均値923円(中央値300円)
高学年
・最頻値1,000円
・最も多い金額帯1,000円~1,500円未満(23.5%)
・平均値1,246円(中央値500円)
中学生
中学生の場合、お小遣いの最頻値は1,000円、平均値は2,536円(中央値2,000円)となっています。
最頻値は小学生の高学年と変わらないものの、平均値は約2倍、中央値も一気に500円から2,000円に増えているのが大きな特徴です。
高校生
高校生になるとさらに増えます。最頻値は5,000円、平均値は5,114円(中央値5,000円)となっており、高校生の多くが月に5,000円程度のお小遣いをもらっていることがわかります。
お小遣いの使い方
子どもたちはもらったお小遣いをどのように使っているのでしょうか。同じ調査からお小遣いの使い方をみてみましょう
小学生
小学生のお小遣いの使い道を、低学年・中学年・高学年に分け、それぞれ1位から5位までをまとめてみました。結果は以下のとおりです。
【低学年】
1位 おかしやジュース
2位 おもちゃなど
3位 ゲームをする
4位 家の人へのプレゼント
5位 ノートや鉛筆など
【中学年】
1位 おかしやジュース
2位 ゲームソフトやおもちゃ類
3位 ゲームをする
4位 ノートや鉛筆など
5位 まんが
【高学年】
1位 おかしやジュース
2位 ゲームソフトやおもちゃ類
3位 まんが
4位 本や雑誌
5位 家の人へのプレゼント
いずれの学年もお菓子やジュースに使う子どもが多いことがわかります。ただし、高学年になるにつれ本や雑誌、まんがなどの購入にあてるケースが多くみられます。
中学生
中学生のお小遣いの使い道はどうなっているでしょうか。
1位 友達との外食・軽食代
2位 おやつなどの飲食物
3位 友達へのプレゼント
4位 文房具
5位 家の人へのプレゼント
友達と遊ぶときのおやつ代に使っている子どもが多く、プレゼント代(友達や家族)に使うケースもみられます。交際関連での使い方が目立っているといえそうです。
高校生
高校生になると、使い道は以下のようになっています。
1位 友達との外食・軽食代
2位 おやつなどの飲食物
3位 休日に遊びにいくときの交通費
4位 友達へのプレゼント
5位 昼食
友達と過ごすための食事代や、一緒に遊びに行く際の交通費、さらには昼食に使うケースも多くなります。高校生ともなると行動範囲も広がりますし、昼食も学食などを利用する機会が増える背景が見受けられます。
お金の管理能力を養うポイント
子どものお小遣いは、言わば小さな経済単位です。上手にお金を使える大人になるためにも、子どものうちから金銭感覚を養い、さらにお金の管理能力を培うポイントについて解説します。
お小遣い帳を教える
一番大切なことは、もらったお金を何に使い、あとどのくらい残っているかを管理する習慣を身につけることです。そのためには、お小遣い帳の付け方を教えるのがたいへん有効です。
最近では子どもも使えるお小遣い帳アプリがあるので、利用してみましょう。お小遣い帳アプリには、収支を入力して管理できる機能のほかに、目標設定機能が付いている本格的なものから、キャラクターがかわいい子ども向けのアプリなどさまざまなものがあります。子どもの年齢にあわせて使い分けていくとよいでしょう。
計画的なお金の使い方を考えさせる
無計画にお金を使うのではなく、予算を決めてそれに合ったお金の使い方を考えさせることも大切です。一気に使うとお金はすぐになくなってしまうという感覚を、子どものうちから身につけさせましょう。
必要なものの優先順位や、同じものでもどこでより安く買えるかなど、お金がなくならないようにするために計画的に使う習慣を覚えさせるようにしましょう。
子ども名義の銀行口座を開設する
将来を見越して子ども名義の銀行口座を開設するのも1つの方法です。子どもが自分で管理する通帳を一つ作っておき、お年玉など比較的高額の入金がある場合に利用すると便利です。
また、口座を開設する際に子どもと一緒に金融機関に行くのも社会勉強になります。本人確認などの手続きを体験させてみましょう。
ジュニアNISA口座を開設する
ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)とは、子どもの将来に向けた資産形成をサポートするために導入された非課税制度です。子ども本人の名義で、上場株式や投資信託などの売買ができるものです。
実際の運用は親権者が行いますが、運用状況などを一緒に確認することで金融教育になります。特に資産運用に関する教育が遅れている日本では、これから運用に関する知識を子どもの頃から得ておいたほうがよいでしょう。
ちなみに、ジュニアNISA口座の投資可能期間は、2023年で終了します。2024年からは新規投資はできなくなりますが、それまでの金融商品や運用益については18歳まで非課税で保有できます。
まとめ
お小遣いは子どもに金銭感覚やお金の管理を身につけさせる格好の手段です。どのくらいの金額をどの頻度で渡すのがよいのか、またどのような管理方法がよいかを考えながら、管理能力を育てる方法としても活用していきましょう。