ハリー・ケインは新たなユナイテッドのエースとなるのか photo/Getty Images

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プレミア最強ガイド #100

 先月26日に行われたカラバオ杯決勝でニューカッスルを2-0で下し優勝を果たしたマンチェスター・ユナイテッド。2017年にヨーロッパリーグを制して以来、5年278日ぶりとなるタイトル獲得に黄金期再来の期待が高まっています。優勝後のインタビューでエリック・テン・ハーグ監督は、「選手とスタッフが一丸となって日々努力した成果だ。ヴァラン、カゼミロ、デ・ヘアら勝ち方を知っている選手たちが精神面でチームを牽引してくれた。今我々には良いスピリットがみなぎっている」と、現在のチーム状況を語りました。サー・アレックス・ファーガソン監督が退任した2013年以降低迷していたユナイテッドですが、期待感に包まれています。

 今夏、さらなる選手補強で戦力アップを画策するチームは、早くもトッテナムのイングランド代表FWハリー・ケインに接触、獲得の打診を済ませたと報じられています。スパーズでクラブ歴代トップスコアラーという偉業を達成したケインですが、諸条件が整えば移籍を決断する可能性が。チャンピオンズリーグ出場の可能性が消滅すれば1億ポンドと推定される違約金も減額され、ケイン自身もチームタイトル獲得のため新天地を求めるのは濃厚ではないかと見られています。ファーガソン元監督もテン・ハーグ監督の手腕を称えた上で、「ラッシュフォードが好調なのは評価できるが、左サイドの方がより機能するだろう。彼の負担を軽減するためにもストライカーは補強したい」と今夏の動きを示唆しました。

 一方、クラブの売却を検討しているオーナーのグレイザー家ですが、今月中にも本格交渉が始まる見通しで、窓口となる米国投資銀行レイン・グループが少なくとも4つの買い手候補をオールド・トラッフォードに招いて条件提示するようです。有力候補と言われているのはカタール・イスラム銀行会長であるシェイク・ジャシム・ビン・ハマド・アル・タニ氏が率いるカタール資本グループ。カタール元首相を父に持つアル・タニ氏は、ユナイテッドのファンであることを公言、推定400億ポンドの銀行資産を費やしクラブ改革に乗り出したい意向を示しています。ピッチ内外でポジティブな話題に包まれているユナイテッド、ライバルクラブにとっては脅威の存在になりそうです。

文/西岡 明彦

電子マガジンtheWORLD(ザ・ワールド)279号、3月15日配信の記事より転載