妊娠中に胸に巨大な腫瘍が見つかった女性(画像は『The Mirror 2023年1月4日付「EXCLUSIVE: ‘My unborn baby saved my life after doctors found 4-inch tumour next to my heart’」(Image: haveyoursaystories)』のスクリーンショット)

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昨年9月、イギリスで暮らすある妊婦の胸部から巨大な腫瘍が発見された。当時妊娠32週だった女性はたびたび息苦しさを感じたり、動くと咳き込むようになったため病院でレントゲン検査を受けたところ、心臓の横に約11センチの腫瘍が見つかったという。そして女児を出産後に詳しい検査を受けた結果、それが悪性腫瘍の一種である「非ホジキンリンパ腫」であることが明らかになった。女性は「妊娠により臓器が押し上げられたことで腫瘍の存在に気がついた」と話している。『The Mirror』が伝えた。

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英バッキンガムシャー州で暮らすゾーイ・プラスティラスさん(Zoe Plastiras、23)は悪性腫瘍の一種である「非ホジキンリンパ腫」を患っている。

昨年9月10日、当時妊娠32週だった彼女はたびたび息苦しさを感じたり、動くと咳き込むようになったためNHS(国民保健サービス)の111番(医療に関する無料の電話相談)に相談したところ、救急病院へ行くようアドバイスを受けたという。

ゾーイさんは当時の状況をこのように振り返った。

「妊娠32週目に入ってから息苦しさが続き、動くと咳が出るようになってNHSに相談すると救急車で病院に行くように言われました。そして仕事を終えてから病院でレントゲンと血液検査を受けた結果、心臓にわずかな異常があると告げられたのです。その日は自宅に戻ったのですが、翌朝私とパートナーのジョー(Joe)が病院からの不在着信電話で目を覚ますと、病院から数回不在着信電話の履歴があり、すぐに病院の循環器科に行くようにとのメッセージが残されていたんです。」

「病院に着いてからもう一度検査を受けた時、スタッフが私に何か隠しているように思えたんです。それで全てを知りたいと申し出ると、看護師から『胸にグレープフルーツ大の腫瘍が見つかり、癌の検査をすることになりました』と告げられました。それを聞いた私とジョーは本当にショックで…最悪だったあの日のことは忘れることができません。」

その後、外科医によるエコー検査を受けた時に初めて腫瘍を見たというゾーイさんは、「その大きさを目の当たりにして衝撃を受けました。約11センチもの巨大な腫瘍が心臓の隣にあったのですから。当時は胎児の成長に伴って臓器が押し上げられている状態でした。そうでなければ腫瘍を見つけることはできなかったと思います。娘は私の命を救ってくれたのです。彼女には永遠に感謝し続けます」と語った。

当時ゾーイさんの症状は軽かったため、医師は翌月の出産を終えるまで侵襲的な処置は控えることにしたという。そして10月4日、予定日より2週間ほど早く娘のオフィリアちゃん(Ophelia)を出産した後すぐに針生検と切開生検を受けた結果、腫瘍はステージ2の非ホジキンリンパ腫であることが判明した。

「出産直後ははっきりとした診断がついていなかったので、どのような治療が必要になるのか分からずとても不安でした。ホルモンの関係もあって睡眠不足でイライラしたり、怒ったり落ち込んだり、人生で最悪の日々を過ごしていました。当初、開胸手術が必要だと言われていたのでとても怖かったです。数か月は娘を抱くことができないし、診察や手術のために生まれたばかりの赤ちゃんを預けなければならない…そんなことを考えると胸が締めつけられて何度も涙が出ました。」

そう語ったゾーイさんは今年1月10日から4か月間にわたり合計6回の化学療法を開始する予定だといい、現在の心境をこのように明かしている。

「診断を受け、治療方針が決まるまで3か月かかりました。医師から開胸手術ではなく化学療法を行うと告げられたことは大きな救いでしたが、長い髪が抜けてしまうことはとても悲しいです。そして友人や家族に癌であることを伝える時がとても辛くて…でもみんなが涙を流しているのを見て強くなろうと思いました。生きるためならどんな治療でも受けて乗り越えよう、娘のために生き続けようと誓ったのです。今は治療に向けてより前向きな気持ちになりました。私にはたくさんのサポートがあり、必要なときに娘のケアをしてくれる人たちがいます。病気に打ち勝つための準備は100%できています。」

「オフィリアはもうすぐ3か月になります。私の病気の治療方針が決まり、ホルモンの方も落ち着き、今は気分よく過ごしています。私たちは毎日、娘をたくさん抱っこしたり、散歩に出かけたり、一緒に遊んで絆を深めています。母親であることが私の支えであり、娘がまだ理解できる年齢でなくて本当によかったと思います。『Ophelia』という名前は『助ける、援助する』という意味で、まさに彼女は今までずっと私のことを助けてくれているのです。」

治療前の貴重な時間を家族と一緒に過ごしているゾーイさんは、自分と同じ病気と闘う人々に情報を共有するためインスタグラムで検査や治療の様子を公開しており、「自分の中で何か異変を感じたら、それがどんな小さなことでも病院で検査を受けてほしいです」と述べている。

画像は『The Mirror 2023年1月4日付「EXCLUSIVE: ‘My unborn baby saved my life after doctors found 4-inch tumour next to my heart’」(Image: haveyoursaystories)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)