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(C)Getty Images

 2022年シーズン、原辰徳監督率いる巨人はペナントレースでは4位に終わり、5季ぶりにクライマックスシリーズ出場を逃すこととなった。序盤こそ首位に立つ時期もあったものの、夏場を前にその勢いは失速、ヤクルトの独走を許しただけでなく、最後は阪神にも競り負ける形でBクラスに沈んだ。

 去年は初勝利を挙げた投手が8名にも上ったことも話題となるなど、若手の台頭が目立ったシーズンとも捉えられる。だが、実際には、投手で特筆すべき成績を残したのは守護神として37セーブを記録し新人王に輝いた大勢のみであり、打者でもほぼシーズンを通して中堅・ベテランがレギュラーを担った。

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 今オフも、ソフトバンクからは松田宣浩を獲得、広島からは長野久義が復帰するなどキャリアを重ねたプレーヤーが加わったものの、チームの底上げや若返りに関しては不透明さを拭えない。

 近年では成績が伴わないことで原監督の采配にも否定的なコメントが相次いでおり、新シーズンへの巻き返しに向け不安が募るばかり。そして、そんなファンの想いを、ある球団大物OBが代弁している。

「出してもらった選手の気持ちがどうなのかなって思っちゃうプレーから感じられる」

 巨人の選手たちの印象をそう語っているのは、巨人で現役生活を送り、コーチも務めた篠塚和典氏だ。

 広島OBの高橋慶彦氏のYouTubeチャンネル『よしひこチャンネル』の1月2日配信となった「【来季はどうなる?】篠塚さんが語る今年の巨人『チャンスを貰った選手が成果を出せていない』」にゲスト出演し、古巣の現状について語っている。

 篠塚氏は、昨シーズン巨人の若手が定着しなかったことを不満としており「試して使うのは良いんですけど、ちょっとダメだったらもう次(の選手)、また次。ダメだったらファームに行く」と述べ、監督の選手起用に言及。また、高橋氏も「目を瞑って使ってやる時期ってある。そうしないと空回りするよね、『打たなきゃいけない』と思いすぎて」と指摘した。

 しかし篠塚氏はその一方で「チャンスをもらった選手が、なかなか成果を出せないっていうのが今のジャイアンツの状況ですよね」と分析、個々のプレー内容にも苦言を呈している。

 また「選手の力量が落ちちゃってるってことがあると思う」と続け、さらに昨年のシーズン前の原監督と交わしたやり取りを振り返り「キャンプでは原も今年(2022年)は(選手を)固定してやっていきたいっていう話をしていた」というエピソードを披露し、その上で「だけど選手がやってくれないと固定できないわけじゃないですか」として起用された選手のパフォーマンスが伴っていないと嘆いた。

 他にも高橋氏より「昔の巨人は1番から8番までは決まっていた。ピッチャーを決めるだけだった」といった趣旨のコメントも聞かれており、やはり、スタメンが目まぐるしく変わるチーム状況を問題視している。

 起用法、そして選手の資質、どちらに対しても球界OBからネガティブな言葉が向けられている。2023年、巨人が再浮上するためには、解決すべき課題がまだまだ多いことを二人の表情が物語っていた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]