15日朝、参拝のため靖国神社に到着する小泉首相。(撮影:吉川忠行)

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小泉純一郎首相は終戦記念日の15日朝、東京都千代田区の靖国神社に参拝した。9月退陣を控えた首相にとって、在任中最後の参拝で、2001年の自民党総裁選で公約に掲げた「8・15」参拝を初めて果たした。

 午前7時41分、小雨が降りしきる中、同神社の到着殿前に公用車で到着し、多くの警護官に囲まれて徒歩で玄関に入った。モーニングで正装した首相は終始厳しい表情を崩さず、拝殿から本殿に上がった。本殿では、口を真一文字に結び、一礼。芳名録には「内閣総理大臣 小泉純一郎」と記帳した。

 到着からおよそ15分後、首相は再び到着殿に現れると、表情ひとつ変えず、報道関係者の呼びかけにも応じることなく、公用車に乗り込み、神社をあとにした。

 小泉首相の靖国参拝は、2001年の総理大臣就任から毎年1度行っており、今回が6度目。同首相の終戦記念日当日の参拝は今回が初めてで、現役総理としては1985年の中曽根康弘首相(当時)以来、21年ぶりとなる。

 同神社では61回目の終戦記念日を迎え、首相参拝に備えて多くの警察官が動員され、厳重な警備体制が敷かれる中、朝6時の開門から戦没者の遺族や関係者が多く訪れ、御霊(みたま)に祈りをささげていた。

 早朝、「首相、きょう朝に参拝」の速報が入ると、境内、中門隣にある参集殿前に設置された報道受け付けは、駆けつけた報道関係者で長蛇の列ができた。殿内で取材ができるプレスカードは、受け付け開始直後に準備された100枚を配り終え、残りの報道関係者約200人は到着殿横に置かれた取材スペースに詰めかけて、首相の到着を待った。

 報道各社のヘリコプター数機が到着殿上空を旋回し、ごう音が鳴り響く中、首相が到着すると同時に、3段脚立に上ったカメラマンがシャッターを一斉に切っていた。【了】

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