全国で無料の高速道路が建設され、ルートを選べるケースも増えてきました。そのひとつが関東と山形のあいだ。従来の有料ルートである東北道・山形道と、無料区間のある東北中央道経由とで、どれほど違うでしょうか。

東北最長の「栗子トンネル」を有する東北中央道の無料区間

 全国で無料の高速道路が建設され、ルートを選べるケースも増えてきました。そのひとつが東北中央道で、関東方面〜山形が、従来の東北道・山形道経由からダブルルート化されています。


東北道にて。東北中央道に「山形」方面との表示が(乗りものニュース編集部撮影)。

 東北中央道の起点は常磐道の相馬ICです。そこから西へ、東北道に接続したのち、福島市から山形県米沢市へと、JR奥羽本線沿いに山形県内を北上します。計画では秋田道までつながりますが、山形県の東根北IC以北は細切れになっている状況です。

 またこの道路、以下のように無料区間と有料区間も分かれます。有料区間はNEXCO東日本の管轄です。

(1)相馬IC〜桑折(こおり)JCT:無料
(2)桑折(こおり)JCT〜福島JCT:有料(東北道との重複区間)
(3)福島JCT〜米沢北IC:無料
(4)米沢北IC〜山形JCT〜天童IC:有料
(5)天童IC以北:無料

 福島・山形県境の急峻な山地を栗子トンネル(8972m)で抜ける区間(2)が無料なのは、それまでの峠越えを知る人にとってはありがたく感じるのではないでしょうか。

 従来、東京から山形までは東北道・山形道経由が一般的でしたが、2017年に東北中央道経由のルートが開通し、米沢経由と選べるようになりました。路線図などを見ると、後者のほうが最短で安そうにも思えますが、実際にはどうでしょうか。

 山形市役所を目的地とすると、東北道の浦和本線料金所から、山形道で市役所最寄りの山形蔵王ICまでは345.3km、3時間35分、7990円。対して東北中央道経由の場合、市役所最寄りの山形中央ICまでは333.7km、3時間46分、7640円と出ました(GoogleマップとNEXCOシステムで検索)。

 山形道経由は全線4車線以上なのに対し、東北中央道は暫定2車線のため、距離は若干短くなるものの、時間はかかります。料金差もわずかなので、状況に応じて使い分けるのがよいかもしれません。