堤下事故「他人事じゃない」20代で免許返納ツイートに共感多数…3つの「運転適性」再確認を!
2017年、事故を受けて会見で謝罪した堤下敦
インパルス・板倉俊之が6月21日に自身のTwitterを更新し、《堤下が問題を起こし、ご迷惑をおかけしております》と、相方である堤下敦が起こした物損事故を謝罪した。
堤下は6月14日に都内で乗用車を運転中、1日に2度の物損事故を起こしている。2017年にも2度の交通事故を起こして免許取り消しとなっていた堤下だが、免許を再取得していたのだ。
堤下は17日、自身のTwitterで謝罪。運転免許を返納するとしているが、ネット上では
《人の人生を奪ってしまう前に運転禁止か免許返納してほしい》
《やっぱり免許を与える基準が緩すぎなんじゃないのかい》
と、厳しい声が寄せられている。
そんななかで注目を集めているのが、エッセイストyuzukaさん(@yuzuka_tecpizza)のツイートだ。
《私は免許持ってた時代に何回も人を轢きかけ、物にぶつかりかりかけ…。最終電信柱に突っ込んで廃車にした時に、このままだと人を殺すか殺されると思って20代で免許を返納した。周りには教習所代がもったいないと言われたけど、命に関わるよりマシだと思う。堤下さんが心配。全員紙一重。他人事ちゃう》
yuzukaさんは続くツイートで
《私のこの運転下手はADHD由来だったと思います。乗り物に乗ると眠気の制御が効かなかったり、少しでも外部刺激があると周りが見えなくなったり…。だけどそういうのって緊張してる教習所時代は出現ないので判断難しかっただろうなと思います。自分で気づくしかないの怖い》
と綴っている。このツイートは6.6万件の「いいね」がつき、リツイートは1万件にも達している。yuzukaさんにツイートの意図を聞いた。
「堤下さんの報道を受け、あらためて運転の危険性を考えました。沖縄に移住して長いのですが、車社会だとしてもそれを言い訳にせず、若くても運転をしないという選択をとるべきときもある。
事故をしてしまうことと天秤にかけたら、不便さを嘆く余裕など無いと思います。何かがあったあとに後悔しても遅い。『あの時やらなければよかった』と思った未来からタイムスリップしてきて、チャンスをもらったと考えています。
車での事故は、たった数秒のことで加害者も被害者も一生を失います。それくらい危険なものを扱っているという自覚が、みんな低いと思ったこともあり、高齢者だけではなく、若い世代でも免許返納という手段があることを伝えたかったんです」(yuzukaさん)
yuzukaさんのツイートには、免許を返納して取得した「運転経歴証明書」の写真が添えられている。
「実際に自分も返納することにした、という人からメッセージやコメントを頂いたのには驚きました。マイナンバーもある中で運転免許証だけが身分証だと思っていた人も多く、経歴証明書がその代わりになるということが広まったのはよかったと思います」(同)
モータージャーナリストの岩貞るみこ氏に「運転適性」について聞いた。
「運転適性は大きく3つに分かれており、『身体的適性』『医学的適性』『心理的適性』があります。
身体的適性は視力聴力や四肢機能など。現在、免許の取得や更新でチェックされるのは、ほぼこの点だけですが、近年ようやく認知症などの医学的適性も問題視されるようになりました。
ADHDを自覚して運転免許を返納されたのは、なかなかできることではないと思いますが、立派な決断だったと思います。自覚はないけどADHDだったというケースは少なくありません。医学的適性には認知症、ADHD以外にも睡眠障害、アルコール使用障害などがあります。糖尿病の低血糖で意識を失うケースもここに含まれるでしょう。
問題は心理的適性です。あおり運転や暴走など、他人に迷惑をかけてもかまわないという迷惑ドライバーです。
若いうちはイケイケの運転をしていても、家族ができたり人生経験を積むことで、多くの人はちゃんとしたドライバーになっていきますが、そうでない人も一定数、存在します。
残念ながら、心理的適性の認知度は低く、まだまだ知らない人も多い。運転される方には、ぜひ自分の傾向・適性について、もう一度考えてみていただきたいと思います」
「一生を 事故で泣くまい 泣かすまい」ーー50年前、1972年の交通安全スローガンだが、今もその重みは変わらない。