怒り、憎しみ、嫉妬…マイナス感情を消すために知るべきこと
嫌いな上司が職場にいたり、家族の行動に怒りが止められなかったり、友達に嫌なことを言われたり、私たちの悩みやネガティブな感情は、全て人間関係からくるものです。
怒り、嫉妬、悲しみなどなど、ネガティブな感情とどう付き合っていくかは、人生の充実度に直結する大事な問題です。ネガティブな感情を消そうと思っても、相手がいる以上難しいもの。人間関係を根本的に変えられるかどうかは状況と相手次第ですし、変えたところでまた嫌いな人と出会うかも知れません。では、どうすればいいのでしょうか?
■怒り、憎しみ、嫉妬…マイナス感情に狂いそうになった時に知るべきこと
『「前向きに生きる」ことに疲れたら読む本』(南直哉著、アスコム刊)は、「前向きに生きなければいけない」「人生は夢を追いかけなければいけない」「自分らしく生きないといけない」など、私たちを取り巻くさまざまな「〜しなければいけない」の呪縛を解き、何事にも惑わされずに生きるための考え方を授けてくれます。
では、ネガティブな感情についてはどう考えればいいのでしょうか。
まず知るべきことは、ネガティブな方向に感情が揺れるのはごく当たり前、ということ。「不動心」という言葉がありますが、何があっても全く波立たない心を持つのは生身の人間には不可能とのこと。
人は「他人の海」で生きなければならないのですから、ストレスや葛藤がないわけがありません。感情に左右されないほうがいいと思っている人は多いかもしれませんが、感情が揺れたり乱れたりするのは当然です。(P 97より)
大事なのは、感情の波に押し流されないようにすること。感情が揺れても、「心」という器からこぼれなければOK。大事なのは揺れても元に戻すことができるようにすることです。
ネガティブ感情に押し流されないためには、思考や感情を一時遮断することが有効。座禅などはそのための有名な手段ですし、散歩や読書、お茶をゆっくりと飲んでみたり、食事を心ゆくまで楽しんで食べることもおすすめです。
本書によると「物理的に一人になり」「あまり動かずにできること」「刺激が少ないこと」がおすすめ。今の荒れ狂う感情とは無関係な何かに没頭することで、感情の揺れはおさまっていきます。自分の感情について考えてみることは大切ですが、それはこのプロセスが終わってから。まずは心の揺れを収めることを考えましょう。
■嫉妬はプラスのエネルギーに変えることができない
数あるマイナス感情のうちでも、もっとも厄介なのが嫉妬。自分が持っていない何かを持っている人に身を焼くような嫉妬の感情を持ったことがある人は多いはず。
この嫉妬について、本書では「錯覚」によるものとしています。
嫉妬が生まれるのは、「本来、自分が持つはずだったものを人が持っている」と勘違いした時です。本当は、自分がそうなるべきだった状況を他人に奪われた。そう錯覚するから激するのです。(P 117より)
だから、嫉妬の根っこにあるのは「本来自分のもののはずなのに、不当に奪われている」という感覚。でも、これは錯覚にすぎません。好きな人が他の人と付き合っていたとしても、相手が「本来自分を好きになるはずだった」とは言えませんし、同期に出世で先を越されたとしても「自分のポストが不当に奪われた」ということではありません。
「錯覚」をキーワードに、今の自分の状況が本当に不当なのかを考えてみると、大抵の場合は実力通りだということがわかります。それがわかれば嫉妬からは抜け出せるはずです。嫉妬はなんらプラスのエネルギーを生まない不毛な感情です。できるだけ無縁に過ごしたいものですね。
◇
どうしても忘れられない怒りや憎しみ、嫉妬などのマイナス感情からの抜け出し方も、「自分らしさ」「ポジティブな生き方」「夢を追う尊さ」といった生きていると必ず出くわす謎の価値観にとらわれない生き方も、本書は仏教の観点から腹落ちする説明をしてくれます。
心を乱されることが続いていて辛い人、将来に不安しかない人、周りとうまくやっていけずに悩んでいる人は気持ちが楽になるはずです。
(新刊JP編集部)
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では、ネガティブな感情についてはどう考えればいいのでしょうか。
まず知るべきことは、ネガティブな方向に感情が揺れるのはごく当たり前、ということ。「不動心」という言葉がありますが、何があっても全く波立たない心を持つのは生身の人間には不可能とのこと。
人は「他人の海」で生きなければならないのですから、ストレスや葛藤がないわけがありません。感情に左右されないほうがいいと思っている人は多いかもしれませんが、感情が揺れたり乱れたりするのは当然です。(P 97より)
大事なのは、感情の波に押し流されないようにすること。感情が揺れても、「心」という器からこぼれなければOK。大事なのは揺れても元に戻すことができるようにすることです。
ネガティブ感情に押し流されないためには、思考や感情を一時遮断することが有効。座禅などはそのための有名な手段ですし、散歩や読書、お茶をゆっくりと飲んでみたり、食事を心ゆくまで楽しんで食べることもおすすめです。
本書によると「物理的に一人になり」「あまり動かずにできること」「刺激が少ないこと」がおすすめ。今の荒れ狂う感情とは無関係な何かに没頭することで、感情の揺れはおさまっていきます。自分の感情について考えてみることは大切ですが、それはこのプロセスが終わってから。まずは心の揺れを収めることを考えましょう。
■嫉妬はプラスのエネルギーに変えることができない
数あるマイナス感情のうちでも、もっとも厄介なのが嫉妬。自分が持っていない何かを持っている人に身を焼くような嫉妬の感情を持ったことがある人は多いはず。
この嫉妬について、本書では「錯覚」によるものとしています。
嫉妬が生まれるのは、「本来、自分が持つはずだったものを人が持っている」と勘違いした時です。本当は、自分がそうなるべきだった状況を他人に奪われた。そう錯覚するから激するのです。(P 117より)
だから、嫉妬の根っこにあるのは「本来自分のもののはずなのに、不当に奪われている」という感覚。でも、これは錯覚にすぎません。好きな人が他の人と付き合っていたとしても、相手が「本来自分を好きになるはずだった」とは言えませんし、同期に出世で先を越されたとしても「自分のポストが不当に奪われた」ということではありません。
「錯覚」をキーワードに、今の自分の状況が本当に不当なのかを考えてみると、大抵の場合は実力通りだということがわかります。それがわかれば嫉妬からは抜け出せるはずです。嫉妬はなんらプラスのエネルギーを生まない不毛な感情です。できるだけ無縁に過ごしたいものですね。
◇
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心を乱されることが続いていて辛い人、将来に不安しかない人、周りとうまくやっていけずに悩んでいる人は気持ちが楽になるはずです。
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