部下の育成がうまいリーダーがやっている3つのコミュニケーション術
チーム全体に閉塞感があって、効率も悪い。
ヨコの連携が足りず、メンバー間の関係もあまりよくない。
強いリーダーを演じてチームを引っ張っているが、メンバーがついてこない。
チームで生産性を上げ、成果を出すためには、部下の成長は欠かせない。しかし、閉塞した状況に陥り、成長が見えないのであれば、それはリーダーの責任であり、自分の振る舞いを見直す必要がある。
その時に大切なのが「心理的安全性」だ。
これが高まることによって、メンバーが失敗を恐れずにどんどん挑戦し、メンバー間のつながりも強くなり、チーム一丸となって問題解決に取り組むことが可能になる。Googleのリサーチチームも「効果的なチーム」の特徴として心理的安全性を挙げている。
では、心理的安全性を高めて、部下を成長させるために、リーダーはどんなことをすべきなのか。
ポジティブ心理学者の松村亜里さんによる『誰もが幸せに成長できる 心理的安全性の高め方』(WAVE出版刊)からコミュニケーション術を3つ取り上げてご紹介しよう。
■本当の自分や弱みを正直に開示する
心理的安全性の高い関係性では、安心して自然体の自分をさらけ出すことができる。つまり、そこにいるメンバー全員がありのままの自分でいられる環境が、心理的安全性が高いということになる。
こうした場をつくるのはリーダーの役目だが、旧来のリーダー像よろしくメンバーの前に立って鼓舞したり、弱みや本音を見せないように振る舞っても、心理的安全性は高まらない。
メンバーに格好つけない本当の自分を見せ、発言と行動が一致した誠実な人であることが求められるのだ。
メンバーに共感し、自分の経験を正直に伝える。時には自分の弱みを開示する。そんなリーダーの姿を通して、メンバーも「自分らしくいていいんだ」と思うようになる。部下を成長させられるリーダーは、強いリーダーではなく、誠実なリーダーなのだ。
■「なぜ、うまくいったのか」を考えさせる
人間はどうしても良い部分よりも悪い部分に目が向いてしまう。また、上司と部下の面談でも「なぜできなかったのか」の話に終始してしまいがちだ。
しかし、心理的安全性を高めるという点からいうと、失敗したことよりも成功したことの理由を追究する方が大切だ。「なぜ成功できたのか」ということを考えてもらうことが、次の成功へのヒントとなり、部下が新たに挑戦したときの選択肢を広げることにつながる。
リーダーが部下の小さな成功体験を無視したりせず、深掘りをする。それが成長へとつながっていくのだ。
■会議は「いいこと」をシェアすることから始める
チーム内で良い関係が築かれているかどうかを判別するポイントがある。「よいニュースへの反応の仕方」だ。
まず、ミーティングの最初に「最近起こった良かったこと」をシェアする時間をつくる。そこで語られたポジティブなエピソードに対して、他のメンバーが興味を持って質問をどんどんする。そんなポジティブなコミュニケーションができていれば、心理的安全性が高いと言えるだろう。
ミーティングのはじめに「困ったこと」「問題点」からシェアしているというリーダーは、まず「よかったこと」を共有するように変えてみてはどうだろう。ポジティブな感情は視野が拡張するので、問題が解決しやすくなると松村さん。信頼関係も高まり、チームの動きがより活性化されるはずだ。
ここで取り上げた心理的安全性を高めるためのテクニックのほかにも、自己効力感の高め方やチームの多様性を認めることの重要性など、リーダーだけでなく、メンバーも含めて働いている人全員が知っておくべきことが書かれている。
価値観が大きく変化する中で、今、リーダーに求められているものは部下の能力を最大限に引き出す力だ。そのためにも、心理的安全性は必要不可欠。部下を、そしてチームを一段階も二段階もレベルアップさせるためのヒントを本書から得られるはずだ。
(新刊JP編集部)
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ポジティブ心理学者の松村亜里さんによる『誰もが幸せに成長できる 心理的安全性の高め方』(WAVE出版刊)からコミュニケーション術を3つ取り上げてご紹介しよう。
■本当の自分や弱みを正直に開示する
心理的安全性の高い関係性では、安心して自然体の自分をさらけ出すことができる。つまり、そこにいるメンバー全員がありのままの自分でいられる環境が、心理的安全性が高いということになる。
こうした場をつくるのはリーダーの役目だが、旧来のリーダー像よろしくメンバーの前に立って鼓舞したり、弱みや本音を見せないように振る舞っても、心理的安全性は高まらない。
メンバーに格好つけない本当の自分を見せ、発言と行動が一致した誠実な人であることが求められるのだ。
メンバーに共感し、自分の経験を正直に伝える。時には自分の弱みを開示する。そんなリーダーの姿を通して、メンバーも「自分らしくいていいんだ」と思うようになる。部下を成長させられるリーダーは、強いリーダーではなく、誠実なリーダーなのだ。
■「なぜ、うまくいったのか」を考えさせる
人間はどうしても良い部分よりも悪い部分に目が向いてしまう。また、上司と部下の面談でも「なぜできなかったのか」の話に終始してしまいがちだ。
しかし、心理的安全性を高めるという点からいうと、失敗したことよりも成功したことの理由を追究する方が大切だ。「なぜ成功できたのか」ということを考えてもらうことが、次の成功へのヒントとなり、部下が新たに挑戦したときの選択肢を広げることにつながる。
リーダーが部下の小さな成功体験を無視したりせず、深掘りをする。それが成長へとつながっていくのだ。
■会議は「いいこと」をシェアすることから始める
チーム内で良い関係が築かれているかどうかを判別するポイントがある。「よいニュースへの反応の仕方」だ。
まず、ミーティングの最初に「最近起こった良かったこと」をシェアする時間をつくる。そこで語られたポジティブなエピソードに対して、他のメンバーが興味を持って質問をどんどんする。そんなポジティブなコミュニケーションができていれば、心理的安全性が高いと言えるだろう。
ミーティングのはじめに「困ったこと」「問題点」からシェアしているというリーダーは、まず「よかったこと」を共有するように変えてみてはどうだろう。ポジティブな感情は視野が拡張するので、問題が解決しやすくなると松村さん。信頼関係も高まり、チームの動きがより活性化されるはずだ。
ここで取り上げた心理的安全性を高めるためのテクニックのほかにも、自己効力感の高め方やチームの多様性を認めることの重要性など、リーダーだけでなく、メンバーも含めて働いている人全員が知っておくべきことが書かれている。
価値観が大きく変化する中で、今、リーダーに求められているものは部下の能力を最大限に引き出す力だ。そのためにも、心理的安全性は必要不可欠。部下を、そしてチームを一段階も二段階もレベルアップさせるためのヒントを本書から得られるはずだ。
(新刊JP編集部)
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