食楽web

 某有名カレーショップの普通盛りの場合、ライスとルーで約550g、某人気牛丼店の並盛りの場合約340g。だから、大盛りとか特盛みたいな注文をしないと1kgにいかないのが当たり前。しかし、埼玉のデカ盛り店は違う!

 カツ丼の器の大きさがラーメン丼サイズ、そして大盛りで頼んでないのにカツカレーがものすごいボリュームで出てくると人気の店があると聞き、向かったのはさいたま市にある『そば処 たちばな』。東武鉄道の七里駅、JR東大宮駅から徒歩各約30分の場所、地元で長年に渡り愛され続けているお店です。

メニュー。「カツカレーライス」980円、「カツ丼」880円(税抜き)。もちろんそば処なので麺類のメニューも充実

 店内に入るとテーブル席とカウンター席、そして小上がりの座敷席があります。席につき、メニューを見ると、噂の「カツカレーライス」を発見。メニューの横にはカレー類は中盛200円増、大盛300円増って書かれているのを見ると、大盛り注文が正解なのでは?

 お店の人に声をかけてボリュームを確認すると、初めて食べにきた人はまずは普通盛りで食べるのがおすすめ、ということなので、「カツカレーライス」普通盛りを注文します。

これ本当に普通盛り!? 大皿になみなみとルーがかかった「カツカレーライス」1141g

「カツカレーライス」980円(税込・1078円)。初めてのお店では、お店の人の言うことをきちんと聞かないとね

 待つこと数分、目の前にやってきたのは、大皿の縁いっぱいまでルーがかかった、衝撃の「カツカレーライス」。他の店なら特盛とかメガ盛りとか言っちゃうサイズ。早速計測です。直径28cmのお皿に高さはカツの一番上で約10cm、重さは1141g(器の重さを除く)。もし中盛、大盛で頼んでいたらどうなってた? そしてさいたま市見沼区の皆さんは、1kg余裕で完食できるポテンシャルを持った人が多いのかっ!? 

 早速一口。カレーは程よい辛さととろみ。どこか懐かしさを感じる、飽きのこない美味しさです。そしてカツは揚げたてサクッとカリッと。ルーの広がりで隠れているけれど、実はゴハンの量、結構ある。さすが1kg超え。でもカレーだと1kgっていけちゃう気がするから不思議。

溢れんばかりのカレールー、そして山盛りのゴハンとカツ。直径28cmのお皿に高さ約10cm。某カレーチェーンの2人前の量ってこと?

 食べすすめているとお店の人から「ルーが足りなくなったら言ってね」とありがたいお声がけが。こんなにルーがあって足りなくなることあるんだろうか、と一瞬思いつつも、ゴハンの量、カレーに隠れているけれど結構ある。見た目で勘違いして、序盤にルー多めの割合で食べちゃうと、後半足りなくなるのかも? ちなみにライスが足りなくなった場合は追加料金がかかります。と言っても、この量があれば、足りないってことはまずなさそう。

「カレーの具はタマネギ、鶏肉、豚肉。カツは三元豚のロースカツだね。ゴハンは埼玉のブランド米「彩の輝き」。同級生がお米を作っていて、良心的な価格で卸してもらえるから、ゴハン大盛りができるんだよ」と店主。それは羨ましい! お米は1日で15kgほど炊いているそうです。炊飯前で15kgってことは、炊き上がりはもっと、ってことですよね。1合を150gと想定すると100合分炊いているってこと?

ライス、カレー、カツを一気に一口! カツカレーの醍醐味ってこの三位一体でしょ。幸せ~

 以前、「カツカレーライス」の大盛りをはかったところ、大盛は1.8kg、そしてメニューには載っていない特盛は2.9kgだったそう。2.9kg、一体どんな皿で来るんだろう。普通盛で直径28cmだから、直径50cmぐらいのお皿? 2.9kgもあるカツカレーを税抜980円+300円で味わえるのは、かなりお得な気がします。ほぼ3kgってことは5~6人前。すごい。

 そもそも、なんで大盛りになったんですか?「お腹いっぱいになったら嬉しいでしょ。餓死はあってもお腹いっぱいでは死なないからね」とニッコリ。店のメニューほとんどが大盛りだそうですが、「チャレンジメニューみたいなのはやらないよ。遊びはだめ」。もしどうしても食べ残した場合は、デリバリー用の入れ物につめてもらうことも可能です。でも「ほとんどの人が残さないね。量をわかっているから」とのこと。

「一緒にコロナと戦いましょう。みんな元気でがんばって!」(店主の大島浩二さん)

 店がオープンしてから37年。中には親子3代で通い続けている常連さんもいるそうで、どの料理がどれくらいの量なのか、わかっている人が多いとのこと。だからこそ、初めてきたお客さんには「まずは普通盛りで」と声をかけているそうです。「いい大人なんだからね、身の丈で判断すればいいんだよ」。ごもっともです。

 ちなみに一番人気はカツ丼orカツカレーのそば付きセット1000円(税込)。4割のお客さんがそば付きのセットを頼むそうです。確かにカツカレー単品だと980円。そば付きだと1000円と考えるとお得。ただ、1141gのカツカレーにプラスそばも入る、胃力が必要になると思われます。このセット、カツ丼・カツ煮・とんかつのいずれかひとつと、そばorうどんで1000円なので、うどん派の人はうどんチョイスもありですよ。

「カツカレーライス」の美味しさ、そして太っ腹なボリュームに圧倒された『そば処 たちばな』。次回は、ラーメン丼サイズの器で出てくるカツ丼が食べたいなぁ。もちろん1000円のセットにして。お腹いっぱいになれること確実なので、駅までの行き帰りはウォーキング決定。往復1時間歩けば、デカ盛りを思う存分楽しんじゃっていい気がする。待ってろカツ丼~!

(撮影◎小嶋裕 取材・文◎いしざわりかこ)

●SHOP INFO

店名:そば処 たちばな

住:埼玉県さいたま市見沼区深作1-2-8
TEL:048-686-0943
営:11:00~14:00、17:30~23:00(L.O.22:30)※まん防期間中は夜~20:00(L.O.19:30)、アルコール提供なし
休:月曜、日曜ランチタイム