株取引きで儲けている乙女たちを、最近では「かぶや姫」なんて呼んだりしますよね。では、「カジテツ姫」と呼ばれている乙女たちが存在するのはご存じでしょうか?

 「カジテツ」と聞くと、「鉄を打つことを生業としている、女鍛冶屋か?」と思わされるような、ちょっとゴツい感じがするけど、ぜんぜん違います・・・。カジテツとは、「家事手伝い」のこと。よくテレビや雑誌などで、「職業=家事手伝い」と紹介されている女性がいますよね? 彼女たちのことなんです。

 「家事手伝い」がどんな職業なのかというと文字通り「炊事、洗濯などの家事全般や家業をお手伝いする仕事」のことで、一般的には独身の女性を指す場合が多いのだとか。さらに「家事手伝い」の女性は数タイプ存在し、大きく分けると「裕福な家庭で育ち、働く必要がないから花嫁修業をしている」タイプと、「母親がいない、または病におかされていて、代わりに家事全般を取り仕切っている」タイプ。「カジテツ姫」はとくに前者のほうを指しています。

 ほほう〜、つまり花嫁修業にかこつけて、趣味の習い事やら、エステやら、リラクゼーションやら“気ままな道楽生活”を職業としているわけですね。なんとも羨ましい限りです。でも待てよ? 「家事手伝い」って職業なのか? 「自分で金を稼ぐ必要がないから働かない」→「親の金をあてにして生活している」って、れっきとした「パラサイトシングル」じゃないですか! それに働く気もないとなると、むしろニートなんじゃないの!?

 ということで、早速ニート問題に関する統計資料を調べてみたところ、面白い発見がありました。ニート問題の調査は厚生労働省と内閣府で行われているのですが、なんと「家事手伝い」の見解がこの二つの官庁では異なるのです。一般的なニートの統計資料として使われる厚生労働省の「労働経済白書」では「家事手伝い」をニートに含まないのに対し、、内閣府の「青少年の就労に関する研究会」の発表では、「家事手伝い」をニートに含んでいるんです。

 厚生労働省では、ニートの定義に「家事の手伝いさえもしない」ということを加えているから、「家事手伝い」をニートと見なさないのだそう。一方内閣府では、「家事手伝いは、求職活動をしていない・する気もない」ということから、ニートの分類のひとつとしているんだって。ちなみに厚生労働省の統計では、ニートの数が約64万人(平成16年度)、内閣府の統計では84.7万人(平成13年度)だそうな。調査した年は異なるとはいえ、その差20万人って・・・。優雅な暮らしをしている「カジテツ姫」って、そんなにたくさんいるの!? (遠藤麻衣/verb)

■関連サイト
ニート(NEET) - JMR生活総合研究所