孫正義の人生を決めた高校時代の決断とは?
仕事でもプライベートでも、大きな決断を下すタイミングが人生にはあるもの。物事を決めるときや大切な決断を下すときは、自分なりの原則を持っていたほうが自信を持って決断が下せる。しかし、それでも迷ってしまうこともある。
■孫正義のその後を決めた高校時代の「電話」
迷うのは世にその名をとどろかせている人であっても同じだ。では彼らはどのように決断を下しているのだろうか。
『あなたの心に火をつける 超一流たちの「決断の瞬間」ストーリー』(野地秩嘉著、ワニブックス刊)では、優れた経営者たちの決断の瞬間をまとめ、その決断にまつわる感動秘話を紹介していく。
本書では、松下幸之助、佐治敬三、盛田昭夫。川淵三郎、柳井正、孫正義ら13人の優れた経営者たちが決断を下した瞬間、その本質だけを抜き出し、決断を下した際の原則にせまる。
ソフトバンクグループの2021年3月期決算は純利益が約5兆円となり、国内企業としては過去最高の数字となった。そんなソフトバンクグループの会長兼社長執行役員が、孫正義氏だ。大金持ちの子どもに生まれたわけではない孫氏が、ゼロからスタートして過去最高額の利益を上げるまでに会社を成長させた決断の瞬間とは何なのか。
孫氏の最初の決断は、実は「起業したこと」ではない。『竜馬がゆく』を読んでアメリカを目指したことだ。そして、アメリカでコンピュータと出会い、新技術とITを自分の仕事にしていく。
当時、高校生だった孫氏は留学前、日本マクドナルド創業経営者の藤田田氏に、アメリカへ行ったら、どんな勉強をすればいいのかを直接聞きたいと会いにいくことを決意する。とはいえ、アポなしの高校生がなかなか会えるものではない。そこで、藤田氏の秘書に電話をかけた。
「お目にかかるのが無理でしたら、15分だけ社長室のなかにいさせてください。何も話しません。ただ、藤田社長の存在を感じるだけでいいのです。15分したら、僕は静かに出て行きます」と伝え、「今、僕が言ったことをメモして、電話口で復唱していただけますか。間違いがあるのといけないので」と、自分の主張を通して、メモの取り方まで指示して藤田氏との面会を実現させる。そこで「僕が君の年齢でアメリカへ行くのならコンピュータの勉強をする」と藤田氏からアドバイスをもらう。孫氏の人生が決まったのはこの瞬間だった。
孫氏は「(坂本龍馬は)大局を捉えて『事を成す』というところから逆算してものを考えている。龍馬さんは、まさしく大事業であった明治維新を成そうとする事業家だったわけです」と述べ、龍馬にとっての明治維新は、孫氏にとっての情報革命であり、大局を捉え、すべてを俯瞰して決断を下しているのだ。
何か決断に迷ったとき、優秀な経営者たちはなぜ決断できたのかを知ることで、決断を下す背中を押してくれるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)
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ソフトバンクグループの2021年3月期決算は純利益が約5兆円となり、国内企業としては過去最高の数字となった。そんなソフトバンクグループの会長兼社長執行役員が、孫正義氏だ。大金持ちの子どもに生まれたわけではない孫氏が、ゼロからスタートして過去最高額の利益を上げるまでに会社を成長させた決断の瞬間とは何なのか。
孫氏の最初の決断は、実は「起業したこと」ではない。『竜馬がゆく』を読んでアメリカを目指したことだ。そして、アメリカでコンピュータと出会い、新技術とITを自分の仕事にしていく。
当時、高校生だった孫氏は留学前、日本マクドナルド創業経営者の藤田田氏に、アメリカへ行ったら、どんな勉強をすればいいのかを直接聞きたいと会いにいくことを決意する。とはいえ、アポなしの高校生がなかなか会えるものではない。そこで、藤田氏の秘書に電話をかけた。
「お目にかかるのが無理でしたら、15分だけ社長室のなかにいさせてください。何も話しません。ただ、藤田社長の存在を感じるだけでいいのです。15分したら、僕は静かに出て行きます」と伝え、「今、僕が言ったことをメモして、電話口で復唱していただけますか。間違いがあるのといけないので」と、自分の主張を通して、メモの取り方まで指示して藤田氏との面会を実現させる。そこで「僕が君の年齢でアメリカへ行くのならコンピュータの勉強をする」と藤田氏からアドバイスをもらう。孫氏の人生が決まったのはこの瞬間だった。
孫氏は「(坂本龍馬は)大局を捉えて『事を成す』というところから逆算してものを考えている。龍馬さんは、まさしく大事業であった明治維新を成そうとする事業家だったわけです」と述べ、龍馬にとっての明治維新は、孫氏にとっての情報革命であり、大局を捉え、すべてを俯瞰して決断を下しているのだ。
何か決断に迷ったとき、優秀な経営者たちはなぜ決断できたのかを知ることで、決断を下す背中を押してくれるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)
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