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 ここ数年、トゥンカロンにクロッフル、タピオカドリンク、マリトッツォなど日本でも海外スイーツが大流行しています。中でも「台湾カステラ」は、日本でブームとなって5年近く経つにも関わらず、いまだに新店舗は増え続けるばかり。農林水産省が発表した「2021年流行スイーツ予想」にも名前が上がったほどです。

 そんな台湾カステラを家で簡単に作れると話題になっているのが、『カルディ』の「台湾カステラミックス」。

387円(税込)

 あまりの人気になかなか手に入らないと聞いて覚悟していましたが、本当にどの店舗も品切れ。カルディのオンラインストアも何度チェックしても「在庫なし」状態です。

 探し続けること1週間、いくつかの店舗を巡ってやっと入手できました。台湾カステラ独特の“ぷるふわ感”はどの程度再現できるのか? そもそも台湾カステラを「自宅で」しかも「簡単に」作れるのか……疑い半分期待半分で作ってみました。

【作り方】材料はまさかの「お湯」のみ!

 材料は、お湯180mlのみです。このお手軽さも人気の理由なのでしょう。ただし、お湯は80℃のものを使います。筆者は料理用温度計を持っていなかったので100均で調達しました。

 台湾カステラミックスとお湯をボウルに入れ、ひたすら混ぜます。混ぜていくうちにどんどんホイップクリームのような軽さになり、生地自体がふわっとふくらんできます。

 結構重労働なので、ハンドミキサーがあればぜひ使ってください。生地をすくって、落とした跡が5秒くらい残るようになれば準備完了。型に流し入れます。

ダイソーで購入したパウンドケーキ型(Mサイズ)がぴったり。4つ入り110円(税込)

 次に、天板に50℃のお湯を張り、その上に型を置きます。この時、2つ折りしたキッチンペーパーを天板と型の間に挟むと、焼き上がりの表面が割れにくくなるそうです(パッケージ裏面の作り方参照)。

 セッティングが終わったら、160℃に予熱しておいたオーブンで50~55分焼きます。たったこれだけ。あとはドキドキしながらひたすら待ちます。

ほぼほったらかしで完成! 「台湾カステラ」のクオリティは……?

 表面の見えている部分だけでも、思っていたよりずっときめが細かくて一気に期待値が上がります。最後に余分な蒸気を抜くために、10cmほどの高さから3~4回落とせば完成です。

 触れると感動のぷるぷる、ふわふわ感! 特に側面は優しくふれないと指の形がついてしまいそうなほど柔らかいです。衝動的にそのまま手で割ってみると、この通り。甘い香りとともに、芸術的にきめ細やかな生地が顔を出しました。

 見た目はまさに台湾カステラ。これを私が作ったなんて、しかもお湯を混ぜて焼いただけだなんて信じられません。大興奮!

 たまらず手でちぎって口に放り込むと、ふわっふわのカステラが口の中でしゅわしゅわ溶けていきます。控えめですっきりした甘さも良い。シフォンケーキよりもずっとふわふわで、ほんのりしっとりしていて、まるでスフレのようです。味も食感も優しい……!

 これは文句なしに、正真正銘の台湾カステラ。自分が凄腕のパティシエだと勘違いしてしまいそうなクオリティでした。

 お店で購入すると、その時は出来立てでも家に帰ったころにはすっかり冷めているので、湯気がたつほどの出来立てを食べられるのも嬉しいですよね。期待以上に美味しく、これだけの人気が出るのも納得の商品です。

(撮影・文◎佐々木 舞)

●著者プロフィール

佐々木 舞
「美味しい」を求め、毎月お給料の半分以上が食費に消える元グルメリポーターのwebライター。美味しいモノがあると聞けば躊躇なく国境も越える食マニアで、これまで食べ歩きした国は60カ国以上。日本のご飯が世界で一番好き。そんな私が見つけた絶品グルメをご紹介します。