巨人桑田C「特攻ローテ」続行で波紋 危惧される「あのこと」

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 巨人の桑田真澄投手チーフコーチ(53)が来季も先発投手陣を中4、5日のローテーションで回す方針を明らかにして、波紋を呼んでいる。

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 今季、シーズン終盤の9月から始まった先発投手陣の「中4〜5日ローテ」。当初から骨太の投手陣を構築したいという首脳陣の考えと、先発投手のコマ不足も重なり、勝負どころの9月から導入したものの、9月から10月にかけて22試合連続で先発投手に勝ちがつかず、打撃不振と共に「特攻ローテ」がV逸の原因にも挙げられた。

 一方、来季からチーフ投手コーチを務める桑田コーチはこう見解をのべた。

 「すごくいいことだと思います。米国だって、中4、5日で投げている。そんなに(中4〜5日で)投げられない人はプロ野球選手にならない方がいいんじゃないかなと思いますけどね」とコメント。さらに「メジャー目指している選手が多いにもかかわらずね。『いや中5日は』とか、『中4日は』とか言っているようではおかしいですよね。まあ力不足ですよ」と中4〜5日を務められない選手がそもそも力不足だと断じてみせたのだ。近年は先発完投型の投手は減り分業制とあって、登板間隔が短くてもしっかりと試合を作ることを求めた。

 しかし、桑田コーチのこの意見には早速、球界内から異論も上がっている。

 「まずメジャー流というのであれば、中5日、6回をメドに100球で降板という体制を作れるのかということになる。救援陣の構築も大事になるし、その日によって後ろが不安だから、今日は長めに先発は投げてほしいなどと不安定な運用は許されない。中継ぎ陣の疲弊も目立つ巨人で、果たしてその体制ができるのかは疑問です」(球界関係者)。

 今季の巨人の戦いで目立ったのは、先発投手陣の「特攻ローテ」もあるが、投手陣においては中継ぎ陣の「マシンガン継投」も話題を呼んだ。先発投手陣への見切りが早く、その後を継ぐ中継ぎ陣もワンポイント起用含め、惜しみなくつぎ込んだことで中継ぎ陣に負担がかかり、終盤の「投壊」に拍車がかかったという見方もあった。

 一方、今季のリーグ覇者となった2チームとも徹底したローテーション管理で選手に負担をかけない方式を取っている。「ヤクルトはシーズン中も、高津監督の方針もあり、奥川、高橋の若手投手陣を含め徹底したローテーション管理を敷き、無理をさせなかった。オリックスも日本シリーズにおいても中嶋監督は、負けたら終わりという第5戦にもエースの山本に中4日では投げさせないという選択をした。結果として、第6戦の141球の熱投につながったことで、両指揮官の『何としても選手を壊さない』という信念、選手と信頼関係をしっかり築けているということが伝わってきました」(同)

 桑田コーチも、もちろん根底にあるのは投手陣再建だ。「やらせるとかそういうのじゃなくて鍛えたいですよね。彼らはできると思っていますので。まだそのやり方を知らないだけでね」という同コーチのお手並み拝見。巨人が来季も「特攻ローテ」を続けるか、またその成否についても、他球団の注目を集めていくことになりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]