双頭&6本足のカメが生まれる
アメリカ・マサチューセッツ州にある野生動物センターが「2つの頭と6本の足を持つキスイガメ」を保護しました。双頭の生物は非常にまれな上に健康上の理由から長生きできないとされていますが、このキスイガメは目下のところ活発に過ごしており、同野生動物センターは「楽観的に考えて良いと思っています」と語っています。
Rare conjoined turtles hatched in Massachusetts | Live Science
Two-headed diamondback terrapin has six legs - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/science/2021/10/11/two-headed-diamondback-terrapin-turtle-new-england/
新たに双頭かつ6本足のキスイガメを保護したと報告したのは、マサチューセッツ州にあるニューイングランド野生生物センターケープコッド支部です。同センターによると、今回生まれたキスイガメはマサチューセッツ州南東部に位置するバーンスタブルに存在する営巣区に誕生し、発見直後にバーンズタブル自然資源局が病院に運んできた個体とのこと。人間の結合双生児と同様に、胴体の大部分を共有していますが、頭を2つ、足を計6つ有しています。実際の写真が以下。
同センターによると、双頭の生物は胚の発達時に何らかの遺伝的要因ないしは環境的要因が影響を与えた結果誕生するもので、基本的には長生きできず、質の高い生活も送れないそうです。しかし、今回のキスイガメは毎日食べ、泳ぎ、成長し、明るく活発に過ごしているとのことで、その寿命や生活については「楽観的になって良いと考えています」とのこと。
同センターが行った監視付きの水泳実験の結果によって、このキスイガメはそれぞれの頭が足を3本ずつコントロールし、呼吸の必要に応じて息継ぎできる能力を有していることが示されたほか、バリウムを飲み込ませてからのX線検査の結果によって、2本の背骨が一体化していることや、それぞれが機能する2つの呼吸器系と胃腸管を有していることが確認されました。
同センターは年間数千もの野生動物を治療・解放していますが、今回のキスイガメについては野生に戻れる可能性はかなり低いとのこと。同センターのカトリーナ・バーグマンCEOは「素晴らしい学習体験になる」と述べ、今後はCTスキャンによって内部構造についての調査を進める予定だと語りました。
このキスイガメは同センターに到着後、体重が6.5グラムから7グラムへ、全長が2インチ弱(約5cm)から3インチ(約7.6cm)に成長したとのことで、バーグマンCEOは「よく食べますし、何よりかわいいんです。初めて運ばれてきたときには皆が大興奮でした」とコメントしています。