草むらから出てきた愛犬に異変が…(画像は『Edinburgh News 2021年8月3日付「Poor Hector: Cocker Spaniel left with horrifically swollen head after giant hogweed encounter in East Lothian」』のスクリーンショット)

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イギリスで最も危険”と恐れられている植物は、毎年夏が近づいてくると多くの被害者を出している。このほど散歩中に普段通り草むらへ入って遊んでいた愛犬がこの植物に触れてしまい、数分後には顔が2倍に腫れ上がってしまった。点滴を半日受けるほどの治療を受けた犬の飼い主は「命に関わることもある」と注意を呼びかけている。『Edinburgh News』などが伝えた。

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英スコットランドのイースト・ロージアンに暮らすエマ・フェリアーさん(Emma Ferrier、24)は今月2日午後、愛犬のコッカー・スパニエル“ヘクター(Hector、2)”を連れてポート・シートンにある自然に囲まれた公園「シートン・サンズ・ホリデー・パーク」へ散歩に来ていた。

エマさんは「義父と一緒に、ヘクターに長いリードを付けて散歩していました。ヘクターは近くに草むらを見つけると、いつものように頭から入って行ったんです。これまでに何度も草むらに入って行くことはありましたが、今回はいつもと様子が違いました」と当時を振り返る。

「草むらから出てきてすぐ、ヘクターの様子がおかしいことに気付きました。激しく足で顔を引っ搔いて、その数分後にはヘクターの顔が普段の2倍ほどに腫れ上がっていたんです。」

この事態に驚きパニックに陥った義父が、隣町トラネットにある動物病院へ急いでヘクターを連れて行った。診察した獣医は「何か有毒なものに触れてしまったことは間違いない」と話し、ヘクターはアナフィラキシーショックを起こしていると診断された。

その後ヘクターは点滴治療を施され、午後はずっと動物病院で過ごさねばならなかったという。

ヘクターの身に何が触れてしまったのかを確認するために現場へ戻ったエマさんは「原因を特定するのは難しい」と話しながらも、ある植物を目にした。

それは“ジャイアント・ホグウィード”というセリ科の多年草植物で、“イギリスで最も危険な植物”と言われている。14フィート(約4.2メートル)以上にも生育するというこの植物は、直接または茎が折れた時に出る液体に触れると太陽の光によって15分ほどで化学反応を起こす。

症状としては水ぶくれを伴うひどい火傷や、アレルギーに似た症状を起こすこともある。深刻なケースでは長期間の日光過敏症になってしまったり、目に触れた場合は失明してしまうこともあるという。

ジャイアント・ホグウィードは繁殖力が非常に強く、夏に向かって気温が上昇すると成長して花を咲かせる。その見た目は一見すると無害に見えるため、素手で摘んでしまい火傷を負う子供も多いそうだ。

その危険性と強い繁殖力から、米ニューヨーク州は販売、輸入、購入、輸送、導入、繁殖させることを法律で禁じているほど危険物扱いされている。

エマさんは「恐らく最近の暑い気候により、ジャイアント・ホグウィードが繁殖したのだと思います。幸いにもヘクターをすぐに病院へ連れて行くことができたので大事には至らず、今は抗ヒスタミン薬を飲んだことで回復しています」とヘクターの無事を明かした。

続けて「この地域だけではなく、ペットがホグウィードに触れないように飼い主には気を付けていただきたいです。すぐに治療しなければ命に関わることもあります」と注意を呼びかけた。

画像は『Edinburgh News 2021年8月3日付「Poor Hector: Cocker Spaniel left with horrifically swollen head after giant hogweed encounter in East Lothian」』『New York State Department of Environmental Conservation 「Giant Hogweed」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)