市川染五郎、声優初挑戦で山寺宏一らプロの声優の仕事ぶりに感激!
俳優の市川染五郎が22日、新宿ピカデリーで行われたアニメーション映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』の初日舞台あいさつに女優の杉咲花と登壇。初映画・初声優・初主演で挑んだ本作のアフレコを振り返った。壇上にはイシグロキョウヘイ監督も登壇した。
本作は、アニメ「クジラの子らは砂上に歌う」などのイシグロキョウヘイが監督を務めたアニメーション。夏の地方都市を舞台に、コミュニケーションが苦手で俳句以外では思ったことをなかなか口に出せない少年のチェリーと、外見のコンプレックスを克服できないマスク少女のスマイルが出会い、言葉と音楽で距離を縮めていく姿が描かれる。染五郎がチェリー役、杉咲がスマイル役を担当している。
染五郎は声をあてたチェリーについて「とても人見知りで、自分の思っていることをうまく言葉にできない、でも、唯一自分の気持ちを表現できるのが俳句という少年の役。自分も人見知りなところがあって、似ているところが多かった」と振り返る。「ここまで似ている役を演じるのは不思議なご縁だなとも思いました。歌舞伎のセリフも俳句と同じ七五長。そういう部分も似ていると感じました」と感慨深げな様子を見せた。
収録の現場では山寺宏一などの豪華声優陣とも共演。収録がコロナ禍前だったこともあり、同じ場所で収録できたことが収穫だったと語る染五郎は「今、この状況だったら同じブースで間近でプロの方がしているのを拝見することはできない。貴重な経験でした。山寺さんは特に、いろんな声を持っていて、間近で見てすごいなって思いました」と話す。
染五郎自身も役に入り込んで演技をしていたそうで「個人的にクライマックスのシーンは自分も演じていてチェリーを応援したくなりました。チェリーが感情をさらけ出す、とてもスカッとするシーンで、印象的でした。ストーリーもとても深い作品。ただの青春物語ではなく、俳句という要素が入っていて、日本語の美しさも感じられる、素晴らしい作品でした」と満足感を明かした。
スマイルの声を担当した杉咲も「(アフレコには)たくさんの人がいて、まとめて声録りが行われていて、普段声優の方がやられている姿をすごく間近で見られました。プロフェッショナルな姿や仕事ぶりに感動しました」と笑みを浮かべる。「映像もポップでカラフル。夏のカラッとしたきらめきも、チェリーとスマイルがまっすぐに進んでいく姿も眩しく感じられる、そんな作品でした」と笑顔で話した。(取材・文:名鹿祥史)
映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』は全国公開中